【2023/12/10・阪神ジュベナイルフィリーズ】ボンドガールとチェルヴィニアの影は見えたか(レース回顧)
阪神ジュベナイルフィリーズのレース結果を分析し、レース内容と気になる馬の走りを振り返ってみます。
■レース分析
レースペースとしては過去10年間の分析にあった通り、残り4ハロンからペースが上がる展開となりました。
ただ、ペースを作る馬としては『プシプシーナ』ではなく、馬なりでハナに立った『シカゴスティング』がペースを握りました。1200mで逃げられるスピードがあるくらいの馬ですので、『プシプシーナ』とはスピードに大きな違いがありました。
最後の4ハロンを11秒台のラップとなり、走破時計も前日に同コースで開催した古馬オープンのものより0.4秒も速く、力のいる馬場ではなかったことが結果に大きく影響しているかと思います。
■アスコリピチェーノ(1着)
道中はロスなく追走し、直線もスムーズに外に出して伸びてくるという完璧なレース展開でした。これまでよりも速いペースにも対応できましたので、高い指数も出して力があることを示しました。
また、今回出した指数も過去10年の勝ち馬と比較して最も高いですので、このタイミングでのコースに対する適性が非常に高いとも言えます。
ただ、この馬が太刀打ちできないほど強い印象が感じられないということも事実です。果たして『ボンドガール』、『チェルヴィニア』の2頭の影は見えていたのでしょうか?
■ステレンボッシュ(2着)
残り1ハロンまで『アスコリピチェーノ』の後ろで脚を溜めていて、瞬発力で『アスコリピチェーノ』を交わそうとした走りでした。
ゴール前では脚を余したような感じでしたので、もう少し持続力を活かせる走りができれば結果は変わっていたかと思います。
■コラソンビート(3着)
向いていないレースペースの中で、先着した2頭とは上り時計に関する適性の差ですので、力を出し切っていると言えます。
距離短縮でこの馬の持つ適性を活かせることができると思います。
『コラソンビート』を基準にして、今回一緒に走った『アスコリピチェーノ』、『ステレンボッシュ』と今回は走らなかった『ボンドガール』、『チェルヴィニア』の走りっぷりを比較してみると、『ボンドガール』、『チェルヴィニア』の方に魅力を感じる内容だったと思います。
■サフィラ(4着)
ゴール前での伸びは少しは見所がありましたが、直線入口での反応は鈍く、エンジンの掛かりが遅い点が気になりました。
これまでよりも道中の流れが速くなった分、脚が溜まらずに末脚が爆発しなかった可能性もあります。
■スウィープフィート(7着)
出遅れから道中、大外から位置を上げる負担の大きいレース展開でしたが、直線で見せたサフィラと同等の末脚は見所がありました。
ただ、坂で止まっているように見えましたので、平坦コースならこの末脚の切れに期待できるのかもしれません。
■キャットファイト(10着)
道中は内ラチ沿いを追走して脚は溜まっていたはずですが、直線では伸びなかったところから、前傾ラップとなるレースペースへの適性が強いと思います。
■ナナオ(12着)
前走のようにハナに立つ勢いで先行しましたが、直線では脚は残っていません。若干力んでいた部分もあります。
距離短縮または1600mならレースペースが前傾となりやすい中山でもう一度見てみたいところです。
■プシプシーナ(15着)
スタートでダッシュがつかなかったこともありますが、GⅠの速いスピードに対応できずに中団からのレースとなりました。
ペースを握る馬として考えていましたが、これまでの2戦はスローだったため、そのクラスでは通じたスピードでは不足していたと考えられます。
この点は今後の分析で精度を上げる必要があると思っています。