ホロタ アイサ 文 希夢 絵 何かが小さく弾けた 始まりの 合図 静寂はゆらめき あちこちで かすかに 音が鳴り始めました 「ポパッ・・・ポパッ・・・ポパッ・・・」 その音は だんだんと大きく 広がってゆきました それはまるで 波動の共鳴 それはまるで 光のダンス 真空劇場に アルトナイトが 生まれた その瞬間 空(くう)が 弾け 未だ見ぬ すべてが 生まれました とてもとても とっても長い 気の遠くなるような時間が あっとい
農道を走る軽バスの窓から吹き込む風は 汗ばんだ顔を撫でて、心地よさを運んでくれる。 青々とした田んぼの上を風の道が流れ、土の匂いと草の匂いの混ざった懐かしい刺激が鼻の奥をくすぐる。 みちのくの牧歌的な景色を車窓からぼんやり眺めるのが私は大好きだ。 夏至を迎え日の長くなった夕暮れ時は、特に風が心地よい。 ここ数年、私と相方さんは長年放置されていた梅畑の手入れをしてあそんでいる。 その梅の木は祖母が20年以上前に祖父の米寿のお祝いにと植えたものだそうだ。 祖父母は亡くなり、梅