沈黙は禁
〔解説〕
「自分の意見があるなら遠慮なく言うほうがいい。我慢して黙っているとろくなことがない。損をすることさえあるから、黙っていてはいけない」という教え。
同じ発音なのに意味は真逆という対語に「沈黙は金」(※パロディーではなく事実)がある。「やたらしゃべらず、黙っているほうがいい。そうすれば失敗もしないし、得をすることもある」という意味の、しゃべり過ぎをいましめる教訓。
〔さらに解説〕
お人好しやおとなしい人などは、自分に非がないのに反論しなかったり、会議などで意見を言いたいのに発言できないことがある。
性格だから仕方がないとも言えるが、なんとか克服し、どんどん発言するように努めたいものだ。黙っていると、相手の発言を容認したと受けとめられることになったりする。
なるべく政治的なことには触れないようにしているのだが、今回はちょっとだけ。
他国の領土の島に土足で上がり込んでくる国や、ミサイルを危なっかしい方向へ発射する国があるが、脅威にさらされた側の当該国は「遺憾の意を表明した」「厳重に抗議した」などという程度にとどまっている。
表明などというと聞こえはいいが、形式的には有効であっても実質的には沈黙に近く、表明しないよりはマシという程度だ。
その証拠に、表明によって問題が解決したなどという話は聞いたことがない。相手側にとって、形式に過ぎない表明などは痛くも痒くもないのだ。
だから「沈黙は禁」であり、多くの場合、黙っていることは不利益をもたらすことになる。
日常も例外ではない。町内会、勤め先、隣り近所間はもちろん、親子、兄弟姉妹、親類、友人知人などの間でのあれやこれや。
現実には、やむを得ず沈黙しなければならないこともあろうが、可能な限り正しく沈黙を破りたいものである。
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