祖父に教えてもらった、人から受けた恩はどんな小さいことでも決して忘れないようにするということ
これを書いたのは11年前の、祖父の一周忌。
私がまだ大学生の頃の話。
是非読んで欲しい内容なので、少しだけ加筆と修正をして載せてみようと思う。
何年前からかよく入院するようになって、おじいちゃんと一日に何通かメールしていた。
亡くなったたあと、形見としておじいちゃんの携帯をもらった。
いま考えたらおじいちゃんの歳で普通にメール打てるってすごいよね。
たまに打ち間違えたりしてるの可愛らしかったな。
私が30秒で打っていた文章の返事に、もしかしたら15分くらいかかっていたかもしれない。
他愛ない会話なんだけど、いろんな話をした。
今日学校でこんなことしたんだ!とか、うさぎを飼い始めたよ!とか、今日は台風だねとか。
でもこんなメールを、すごく喜んでたってあとから聞いた。
嬉しかったな。
きっと、寂しかったんだとおもう。
母からおじいちゃんの話をいろいろ聞いていて、一緒に住んでいなかったからちゃんとは知らないけど、かっこいい人だったんだなって思った。
『世の中には色んな人間がいる。
困った時だけ助けてくれと相談に来て、その後は解決したら感謝も恩も忘れて顔も見せなくなる人間もいる。
だから、自分がこうしてやったのに…
あんなにしてやったのに…
と相手が感謝しないからと言って相手に腹を立ててガッカリしたり悲しくなったり、
そんな風に思う位なら最初から何もしない方がいい。
何かを人にする時は、ただ自分がそうしたかったからした。
そう思ってやれば相手がどんな態度をとっても決して腹が立ったりしないから。
自分だったらこうするのに…
普通ならこうするはず…そんなことも勝手に考えないように。
その為には自分が他人にしたことはすぐ忘れて水に流すんだよ。
そのかわり、人から受けた恩はどんな小さいことでも決して忘れないように石に刻むんだぞ。』
と、いつも話していたらしい。
人の悪口は絶対に言わないし、人の失敗を絶対責めたりしない人だったそうだ。
素直にかっこいいと思う。
だから私も、人から受けた恩は絶対に忘れない。
遅くなっても、必ず恩返しをするようにしている。
そういえばお見舞いに行ったときはいつも自分のことは話さないで私のことばかり聞いてきたな。
「学校はどうだ?楽しいか?」
「友達はできたか?」
「彼氏はいるのか?」
「幸せか?」
あたしがいい返事をしたらニコニコしてた。
数年前に、彼氏と別れちゃった~!っていったときなんて心配して電話してきて、母にまであたしが大丈夫なのか聞いたらしい(笑)
それなのにあたしはいつだって自分のことで精一杯で。
遊ぶことにも夢中で。
もっとたくさん話を聞いてあげれば良かったと今でも思う。
きっと話したいことたくさんあったんじゃないかって。
恥ずかしくて言えなかった、「一緒に写真撮ろう」の一言。
今日も言えなかった、明日こそ言おうと思っていたら、亡くなってしまった。
本当に後悔してる。
私とおじいちゃんが一緒にうつってる写真は、小さい頃のしかなかったから大きくなってからの写真が欲しかった。
今の自分なら、一緒に写真を撮ろう。いつも話を聞いてくれてありがとう。と一言、素直に言えるのに。
亡くなってから、おじいちゃんが大切にしてたというアルバムをもらいました。
みてみるとそこには、母や私、妹の小さいころからの写真がぎっしり。
こんなアルバムを持っていたなんて知らなかったから、ビックリしたと同時に感情がこみ上げてきた。
このアルバムをみて私の顔を思い出してくれたのかなーとか、どんな気持ちでアルバムに写真貼ってたんだろうって考えたら涙がでてきました。
私は写真を一枚も持ってなくて。
亡くなる少し前に、メールで「愛してる」 って言われたことがあって、そのときは亡くなるなんて思ってなかったし、「愛してる」っていう言葉は奥さんや恋人にいうセリフだとその頃の私は思っていたから、なんで私にそんなこと言うんだろうと思った。
でも今ならその気持ちがとっても分かる気がする。
この気持ちをなんて言ったらいいのか言葉にしては表せないけど、言葉にして表せない「愛してる」だったんだね。
元気にしてますか?
私は自分なりに頑張ってるよ。
見守ってて下さい。
「何があっても大丈夫。」って自分の心に強い自信と勇気をもっていられるようになりたい。
そして何事にも後悔しないように全力で向き合っていく。
めげたりしない。