猿に追いかけられた話🐒

 みなさんは猿の群れに追いかけられた事ありますか??

 ないです…よね?

 でも、私はあります。

 それは高校2年生の時。季節はたぶん秋。長野県はだいぶ肌寒くなってくる頃。
私は吹奏楽部に所属していて、朝の部活が始まるのは7:40。
私は早めに着いて先生が音楽室を開けてくれるのを待っていた。
 というのも、私の高校の音楽室は「音楽堂」と呼ばれる、校舎とは別の独立した建物で、校舎が開いていても、音楽室は先生が鍵を開けるまで開かないからだ。

 そこへやってきたのは猿たち。
高校の周りは自然豊かで、近隣の柿の木に実がなる時期にはたくさんの猿たちが敷地内をうろつく。その日も猿たちが音楽室の近くにのそのそと近寄ってきた。

 その時そこにいたのは音楽室手前に小屋を設置して飼われていた猫のげちょ、私、同じパートの女の子1人とあともう2人、部員は全部で4人。
 
 始めは猫のげちょにちょっかいを出した猿。今度は私たちにどんどん近づいてくる。
 距離が近くなってさすがに怖くなり、同じパートの子が悲鳴をあげ、逃げようと背を向けて走り出した…そのとき!

 それが猿たちを刺激してしまったらしく周辺の猿たち10匹くらいが集団で私たちに向かって走ってきた。
部員の女子4人は全力でダッシュ。
逃げている中で途中で2人ずつに分かれると、2人はうまく猿たちから逃れた。
だがしかし、もう2人…つまり私と先輩?後輩?忘れたが、とにかく私がいた方に猿たちの群れが後ろからついてくる…。

 学校の敷地内を走って逃げた先は行き止まり。

どうする?どうする?

 対面した女子高生2人と猿たち。
歯を剥き出して鳴いて今にも飛びかかりそうな勢い。

 困り果てていたその時!

 フルートパートの先輩が傘をさして近づいて来た。そう、その日は雨だったのだ。

 猿たちは傘に怯えたのか、散り散りになって去っていった。

 先輩ありがとう。
私たちはお礼を言って、ほっと胸を撫で下ろしたのだった。

 以来、私はニホンザルが大嫌いになり、動物園に行っても猿山だけは見に行かなくなった。あれから8年ほど経つが今でもヤツらの事は大嫌いだ。

 今となっては笑い話の、田舎ならではのハプニング。

 みなさんも野生動物には充分ご注意を⚠️

いいなと思ったら応援しよう!

あんな
noteの創作活動を生業に出来たらなぁ…。記事を読んでいただいて何か心に響くものがありましたら、気が向いたらで良いのでサポートお願いします!