【詩】シャンディーガフ
痩せこけた稲妻
ブラックペッパーを混ぜたチーズ
はにかみ屋はいつだって
飛ぶ鳥を落とす勢いで
のし上がっていく
シカゴで彼が成功した夜
覚えているはずのない女が
彼の車のボンネットの上に乗った
携帯を片手に何かを言うけど
彼は両耳がピアスだらけで聞こえない
鋲のついた革ジャンに
スプレーで世界地図を描いた
365日ぶっ飛んでる目ん玉
本当は350と7日
8日くらいはまとも
非常階段の踊り場
大柄の男にキスされそうになって
慌てて逃げた先のアイスクリーム屋
ポニーテールの店員に恋をした
クッキー&クリームをちょうだい
シューベルトをかけながら
部屋の掃除をしていた日
窓から見える向かいの屋根に
ふわふわの可愛い猫がいた
瓦の上で日向ぼっこ
彼はサンドイッチのハムを抜き
放り投げたんだけど
薄っぺらいハムは真っ逆さま
通りを歩く貴婦人の日傘に
べちゃっと落ちた
ポニーテールが他の男と歩いていた
何でもかんでも手に入れたい彼は
何でもかんでも手に入らないことを知る
だから「やぁ」とだけ声をかけたら
何ともはにかんで窓を閉めた
痩せこけた稲妻
ブラックペッパーを混ぜたチーズ
シャンディーガフを飲みながら
はにかむ彼にインタビュアーがこう聞いた
「貴方の今の願いは何ですか?」
世界中の猫の病気が治りますように
世界中の猫の病気が治りますように
世界中の猫の病気が治りますように
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