【詩】輪廻
性別不明の輪廻
冥界にありますこの心身
生きていたことの記憶は残り
惨敗から学ぶレッスン1
悲しく、また哀しい
アメリカンドッグの棒を咥えたまま
指先の渇きを待っている
手に任せている間は楽だった
頭を使うようになってから
色褪せたり
失くしたり
ひっくり返ったオモチャ箱に
足の踏み場を求めても
頭は言うことを聞いてくれない
(ネェ、キイテヨ)
ひとつひとつ拾い集める間も
お腹は鳴るというのに
乾かない指先
太ももと太ももの隙間を埋めたら
それって地平線? 水平線?
そっと乾かない指先を差し込んだ
まだ、生きているらしいよ
(モウ、シンデイルラシイヨ)
身を失くしても
その価値を失くさないのは
アメリカンドッグの棒みたいだな
生まれ変わるまでの沈黙が
これ程までに息苦しいのは
まるでオオサンショウウオと同じ
「改善すべき点は……」
今日もどこかで誰かが言っている
全然、プレゼンにもなりゃせん
殺傷能力の高さに気づきもせず
贋作の優しさや美学が
僕の眉間を撃ち抜いた
呼吸が止まるより先に
心臓が止まるより先に
眉間から吹き出たプライドが
目の前をふさいだ
美しいことをただ美しいというだけなら
それは美しさではないと
太陽が南中してから
一時間と十六分後に知る
体中のタンパク質を壊しつくし
筋肉が再生することも
輪廻といえるのだろうか?
もしもそうならば
生まれ変わる度に
人は成長しなければならない
「万歳サンショウ!」
今日もどこかで誰かが生まれている
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