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オーディオの話(29)

初めてのレコード


 不肖私が、生まれて初めて買った(買ってもらった)レコードは、フランスの作曲家エミール・ワルトトイフェルの『スケーターズ・ワルツ』という曲のシングル盤です。小学校の5年生か6年生だったと思うんですが、学校の音楽の授業で聴かされたこの曲が大好きになって、母親にねだってお金をもらい、一目散にレコード屋さんに向かったのです。

 今でも不思議に思うのが、目当ての曲のレコードがよく一発で見つかったなってことです。当時私が住んでいたのは、山口県の柳井という小さな市でして、街なかにレコード屋さんは1、2軒ぐらいしかなかった。しかも間口が2~3間くらいの小さなお店。とくに当時流行っていたわけでもない曲のレコードが、そんなお店に置いてあったんですよね。見つけたときは、もう飛び上がりそうになるくらい嬉しかったのを覚えています。

 また、それが、私の実質的なオーディオ初体験でもありました。といっても、そのとき家にあった再生装置は、スピーカーとプレーヤーが一体になった簡易な装置です。とてもオーディオと呼べるような代物ではありません。今はそんなの売ってないんじゃないかな。そういえば、あのころは雑誌の付録によくソノシートというペラペラのレコードが付いていまして、アニメの主題歌なんかが収録されていたのを聴いていたもんです。ソノシートも、とうに見かけなくなりましたね。

 そんでもって、手に入れた『スケーターズ・ワルツ』のレコード。何度も何度も繰り返し聴いて、学校で習っていた縦笛でもしょっちゅう吹いていました。ミ~ソ~ララ~ファ~ラシシ~♪って。今もそのメロディーを耳にすると、あの頃の懐かしい気持ちでいっぱいになります。Wikipediaで調べてみますと、あのトスカニーニやカラヤンも好んで取り上げたそうですね。それからAmazonで見ましたら、何と昔風のレコードプレーヤーも売っているんですね。知りませんでした。
 

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