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5 木苺受く子の手のひらは宝石箱

 句集「むずかしい平凡」自解その5。

 まあ、なんていうこともない凡句ですけれどね。

 ただ、子どもが幼かったころ、木苺を摘んであげて、子どもの小さな手にいっぱいになっていく様子は、親としては貴重な時間だったなあ、と思う次第です。

 子の手のひらは、親にとっての宝石箱だったんじゃないかな、と。

 もう今では、大きく、ごっつい手を持つようになってしまったけれど、小さい子どもの手って、よかったなあ。木苺とか桑の実とか。

 その時は、そんなふうにあんまり思わなかったものが、時間が経つと貴重になる。

 そういうことって、ありますよね。

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