東京中野の「エイサー」と京太郎
「中野チャンプルーフェスタ2023」の2日目。38度を超える高温日にもかかわらず、カラフルな衣装を身に着けた子どもたちがJR中央線中野駅前で「エイサー」を繰り広げました。
エイサーといえば、沖縄県や鹿児島県奄美群島で夏のお盆の時期に踊る伝統芸能といわれています。いわゆる先祖供養のための「盆踊り」です。
東京都中野区のみならず、近隣の世田谷区や杉並区、神奈川県、埼玉県からも“エイサーのダンサー”たちが中野駅前に集結しました。
少子高齢化と言われながらも、エイサーにこれだけの子どもたちが参加しているのはちょっとびっくりでした。
しかも本当に小さいキッズたちまで!スマホもアチアチになる暑さだというのに、一生懸命太鼓を叩いていました!
ちなみに中野区には、子どもたちを対象にしてエイサーの演舞を伝える複数の団体があります。
東京中野区新風エイサー
中野区上鷺宮かみさぎ舞鼓打人
東京中野南風童エイサー
東京中野真南風エイサー
中野新道エイサー
桃園第二小学校ゆいまーるエイサー
・・・などなど。東京中野で「エイサー」が元気なのは、こうした団体の活発な活動と無縁ではなさそうです。
ところで、エイサーの中には不思議なキャラクターがいます。
顔を白塗りに、目の周りは黒く塗って、パンダのようなメイクをする男性キャラです。中世ヨーロッパの宮廷道化師とか、歌舞伎の道化方とか、トランプのジョーカーみたいな存在を思い起こさせます。
どんな存在なのか、会場に居合わせたエイサー出演者に訊いてみました。
すると「これは京太郎と書いて『チョンダラー』と呼ぶんですよ」と教えてくれました。
滑稽な動きで場を盛り上げながら、隊列の乱れを整理する――そんな役割が与えられているそうです。
“第3のキャラ”の京太郎(チョンダラー)については諸説あってはっきりしたことがわかりません。
沖縄には古くから、家の出入り口で大道芸をして金品をもらう「門付け芸(かどづけげい)」があったそう。それを京太郎という言った、などの説もあります。
「京から渡来したから京太郎」や「京太郎という人物が作ったから京太郎」などいろいろです。
「京太郎は薩摩藩の琉球侵攻(1609年)に先んじて送り込まれたスパイだったに違いない」という説には驚きました。
京太郎(チョンダラー)謎い!