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鶏の赤ワイン煮とおんどりモーリスくんの話

フランスの鶏の呼び名は成長過程やオスメス、去勢の有無でも違うので覚えるのがなかなか大変。

コック(coq)は成長したおんどりのことで、調理師をコックさんと呼ぶのはトサカのようなコック帽をかぶっているから。

若鶏(poulet)と比べて硬いので煮込みによく使われ、代表的なのがコック・オー・ヴァン(鶏の赤ワイン煮)

コックで思い出すのは、何年か前に話題になった
「おんどりのモーリス」

フランスの大西洋岸にあるオレロン島でモーリスくんという名のおんどりが訴えられてしまった。

原告は、「朝早くから鳴いてうるさい!」と、近くの別荘に滞在する都会の夫婦。

裁判の結果、「にわとりには鳴く権利がある。田舎特有の音や匂いは知覚的な文化遺産」だとしてモーリスくんの勝訴。

残念ながら、裁判に疲れたのかモーリスくんはあまり鳴かなくなりやがてこの世を去ることになるが
まるで童話のように、フランスの田舎らしくほっこりとしたエピソード。

なのにどこかしら毅然としていて
田舎の伝統やあるべき風景を守ろうとする背景には
田舎に別荘を持つ富裕層が増えた末の、住民と都会人との対立がある。

音や匂いまでを田舎の文化だとしてそれを守るプライド。

Coq Gaulois
にわとりはフランスのシンボル。

Coq au vin

コック・オー・ヴァン
~鶏の赤ワイン煮込み~

●材料 4人分
・鶏骨付きモモ 4本
・ミルポワ(香味野菜の角切り)
  玉ねぎ 1/2個
  にんじん 1/2本
  セロリ 1/2本
・にんにく 1かけ
・ベーコン 100g
・マッシュルーム(トゥルネ)
・チキンブイヨン 300ml
・赤ワイン 300ml
・ローリエ 2枚
・バター 10g
・小麦粉 大4~5

●下準備
玉ねぎ、にんじん、セロリは1cm位の角切りにする
→ミルポワ

鶏のもも肉を関節で切り分け、タッパーなどの容器に入れ、ミルポワ、ローリエとともに一晩赤ワインで
マリネしておく。

●作り方

1 鶏肉を赤ワインから取り出し、キッチンペーパー
  で水気を拭き塩こしょうをして小麦粉を薄くまぶ
  す。

2 ミルポワをボウルにざるで漉し、赤ワインと分け   て水分を切っておく。

3 厚手のなべに油をひき、スライスしたにんにくを
  熱して香りが出たらベーコンとミルポワをよく炒
  める。
  鶏肉を加え、表面に焼き色をつける。

4 2で漉した赤ワインを注いで沸騰させアルコール
  が飛んだらとチキンブイヨンを加えアクを取りな
  がら弱火で約40分煮込む。
  塩こしょうで味を調えていったん火を止め味を
  含ませる。

5 鶏肉を一旦取り出し、ミルポワを濾して取り除き
  煮汁を再び火にかける。
  マッシュルームを加えて約10分煮込み、バターで
  つないで仕上げる。(ブールモンテ)
  鶏肉を鍋に戻して温めてから盛り付ける。

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