ペタペタあんよをくっつけないでおくれ

息子の足裏が汗で非常にペタペタしている。母の足裏はガサガサなのに。同じ季節を生きているのに。

足にシャワーのお湯をあててみればホコリがファサーっと出てくるので、毎回その量にびっくりする。そんなに絡めとっているのか、その小さいあんよで。

そういえば、もっと赤ちゃんの頃は毎日手にホコリをたっぷりくっつけていたなあ。ハイハイじゃなくなって歩けるようになり、それもいつの間にか気にならなくなっていた。息子の成長は喜ばしいが、なんだか少し寂しい。

今はそれが自分の武器になっているのか、私にその足をさりげなくくっつけてくるようになった。最初は「足が当たってる不快感」からとくに意識せずすっと離しただけなのに、追いかけるようにしてまたくっつけてくる。おや、これ分かってやっていないか...?

それからはペタペタあんよをくっつければママが嫌がって面白いと学び、常にくっつけてくるようになってしまった。あ~、もうしつこい!

この息子とのやりとりで、ふと母のことを思い出す。

昔、母とよく買い物に(と言っても食料品を買いに)出かけていたのだが、街を歩くときは母と腕を組みながら歩いていた。夏でも腕を組んでくる娘に母は「もう暑い!ペタペタしてて気持ち悪い!」と言った。それでも私はしつこく腕を組み続ける。母もまんざら嫌そうではなかった。

ようやく分かった。因果応報とでもいうように今は私が同じ目に合っている。まんざら嫌そうではなかったわけではない。これ、まあまあ嫌だ。でも嬉しそうにキャッキャッ言っている娘(私で言えば息子)を見ていたら「まあいいか。」と許してしまったんだろうなあと思った。

今度帰ったら久しぶりに腕を組んでみよう。

またあの時と同じ反応をされるだろうか。今度は本気で鬱陶しがられるかもしれない。いや、もしかしたら「もう大人なんだからやめなさい」とシンプルに言われるかも・・・?

そんな暑がりな母でも孫には夢中なので、息子のペタペタあんよはきっと大歓迎だろう。

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