物語で過去の出来事がぐっと心に近づく(ハックルベリーフィンの冒険 マークトウェイン作)
ペンシルママです。今日はペンシルママが読んだ物語のことをお話したいと思います。それは、「ハックルベリーフィンの冒険」です。(マーク・トウェイン作1885年)これは「トム・ソーヤの冒険」の後に出版された物語で、「トム・ソーヤの冒険」でトムと一緒に冒険をした相棒ハックルベリーフィンが主人公の話です。ペンシルママはトムソーヤの冒険は読んだことがないのですが、名前だけは知っていました。ちょっとしたご縁でこの物語を手にする機会があり、読んでみたのです。
トム・ソーヤの冒険を読まずにこの本から読んだ人ならほぼ(間違いなく?かもしれません。トムソーヤの冒険を読んだ人もきっと・・)トムが大嫌いになると思います!!!理由はこちらでは上げないでおくのですが、この物語はハックルベリーフィンと一緒に冒険をするジムという黒人の男性が出てきます。ジムは黒人がゆえに奴隷であり、自由州を目指してハックルベリーフィンとミシシッピ川を下って旅をするのですが、この物語は「奴隷」について考えさせる物語なのです。歴史の教科書に出てくる「奴隷制」について知っていましたが、それは教科書を読んで事実があったということを知っただけで、本当の意味で「奴隷制」とはどういうことなのか、そして「人権」について考えさせられ、心の奥に触れた感覚を持ったのはこの物語を読んでからだと思います。
言わずもがな、トムは白人です。ハックルベリーフィンも白人ですが、ジムと一緒に旅をして交流を深めていく中で、その当時は反社会的な行為であった奴隷の逃亡に加担して、ジムを助けようと奔走するのです。もちろんハックルベリーフィンもすぐにジムのことを助けようと思っていたわけではなく、事務との交流を通して考えが変わってきたのだと思います。
トムへの嫌悪感は物語の後半、ジムの救出劇でのことですが、トムの行為はトムが白人が故のことなのだと思います。私はこれがとても許せなくて、物語を読みながらひどく怒りを覚えてしまったのですが、ハックルベリーの対応は冷静です。トムに怒ることもありません。ジムももちろんそうでした。
ハックルベリーフィンもジムもとても賢く、思慮深く、優しいように感じました。そしてハックルベリーフィン以外の白人がとても残酷で利己的なように描かれているところから見ても、これは痛烈な人種差別批判のメッセージ性を感じます。
お話を通して異国の昔の出来事だけれど、自分の心に杭を打つような響く物語を読むことが出来たので、非常に良い作品に出会えたと思っています。
この物語は大人になって初めて読んだ作品であり、まだ赤ん坊だった娘が寝た後やお昼寝の間夢中になって読書した本です。いつかもっと大きくなったら娘と一緒に改めて読みたいと思っています。大人のペンシルママにもこれだけ心に打つものがあります。まだ若い感性を持った子どもたちにはどんな風に響いていくのでしょうか。
そして児童文学は読みやすいです!子どもや青少年が読む本なので読みやすい!大人にとっても読みやすいのです。これは児童文学の最大のメリットだと個人的には思います。なのでペンシルママは児童文学や絵本が最も好きなのです。
娘のブッククラブのお陰で海外作品にも沢山触れることが出来、その美しい絵や、日本語の響き(翻訳してあるので)に読んでいるママも目が離せなくなります。そして娘と一緒に絵本を読む時間はやはり楽しいです。娘は寝る前なので布団にごろごろ転がりながら聞いていますが、その時々気になった個所には絵本の元に戻ってきて、絵にも釘付けなのです。そんな姿を見るのがまた可愛くて面白い(*'ω'*)
物はミニマルに暮らしたいと思ってはいますが、絵本や本には囲まれた家に暮らしたいと思うのです(*'ω'*)