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弟子入りしてからすること③

糸目糊置きの練習まで進み、ある程度糸目糊置きが出来るようになりましたら、新人さんも単純作業に飽きてきてしまう頃合いです。なので、実際に糸目友禅染めの作業を一通り、通しで体験して貰います。毎日しっかり通った場合は、この時点で1ヶ月〜1ヶ月半くらい経過しているくらいかと思います。

使う図案は師匠・仁平幸春作の「丸小花更紗」の図案です。この図案は非常に素晴らしいものです。初心者の方が使用すると「自分は染色の才能があるのではないか!」と思ってしまうような、完成度の高さを生み出す、ある意味危険な図案です。笑

生地を幾つか指定して、弟子入りしてからすること②までと同じように糸目糊置きまで作業をしてもらいます。

その後、配色については自由にしてもらいます。地色や柄の配色について師匠や私がヒアリングして、染料で挿すか、顔料で挿すか、ロウで伏せるか、糊で伏せるか等、失敗の少ない方法で作業を進めて貰います。【地入れ・色挿し・伏せ・地色の引染・ロウ取り・蒸し・水元・仕上げ】という、工房で行う一連の作業を経験して頂きます。仕事で作品を完成させるのと同じように指導をし、仕上げまでして貰います。小布が完成したら、簡単な講評会のようなものをします。

その後、次は、同じ図案で師匠の配色で作業をします。この段階の指導では、実際の仕事の制作と同じように、新人さんに色を作ってもらい、それをこちらで確認して、調整を加えて作品を完成させる...という流れです。この段階では言われた作業を出来るか...という点を私たちは見ています。

更に、その後、その方の自由な配色で同じ図案で制作作業をします。

合計3回、丸小花更紗の図案で制作作業をして貰うのですが、この時に何を得ないといけないのかを考えながら作業をして頂きたいです。失敗しないように調整をこちらでしています。褒めてもらおうという考えは捨ててください。お教室の生徒さんではありません。この段階では、プロの作家になる為のスタートラインにも立っていないという状況を理解し、自分がするべき事をしっかり把握しましょう。

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以上の流れの後に、見えてきた課題を元に修行のカリキュラムを組んでいくこととなります。もう一度、下絵の練習をするか、糸目糊置きの練習を集中してするか...様々です。

因みに、この段階まで進むことが出来る方は少なくはありません。問題は、この後と言いますか...一連の流れが終わった頃の中だるみと言いますか...気が緩んできた頃に問題が露呈してきます。

フォリアにおける弟子入り...修行というのは「作業が出来れば良い」という事とは異なります。そこに気がつけるか否か...というのは、とても重要な点になって参ります。

過去、弟子入りをして修行をされていた方々の様子を顧みて「こういう落とし穴がありますよ」という幾つかの例を、別の記事で書きたいと思います。

続き↓
弟子入りしてからすること④


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