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【無料】空飛ぶクルマとは何か?商用運航がもたらす地方の未来を予測する

ANAホールディングス(HD)が「空飛ぶクルマ」の運航を2027年度に始めることを、2024年12月31日の日本経済新聞で掲載されました。東京都心と成田空港(千葉県成田市)を10〜20分で結ぶとのことで、有料で利用者を乗せる商用運航は日本で初めてとなるようです。

料金はタクシーと同水準となる見通しとのことですが、この新しい移動手段が私たちの社会生活にどのような変化をもたらすのか。「空飛ぶクルマ」の基本的な概念や技術、商用化による社会への影響について解説します。


1.「空飛ぶクルマ」とは?

「空飛ぶクルマ」の定義

「空飛ぶクルマ」とは、次世代の空の移動手段として注目される技術です。

諸外国では、Advanced Air Mobility(AAM)や Urban Air Mobility(UAM)と呼ばれており、「電動化」「自動化」「垂直離着陸」という3つの特徴を持っています。

厳密には自動車ではなく、航空機に分類されます。
その中心機体は、eVTOL(イーブイトール:electric Vertical Take-off and Landing)と呼ばれる航空機です。

「空飛ぶクルマ」の特徴

空飛ぶクルマには以下の三つの大きなメリットがあります。

1. 環境に優しい

電動モーターを使用しているため、ヘリコプターと比較して非常に静かで、運航時に排出ガスを出さない環境に優しい乗り物です。

2. 高い安全性

複数のモーターを備えているため、たとえ一つが故障しても他のモーターで運航を続けることができます。この設計が高い安全性を実現しています。

3. 低い運航コスト

部品数が少ないため、ヘリコプターに比べて運航コストが低いのが特徴です。また、将来的には自動操縦が見込まれており、リーズナブルな運賃が期待できます。

【参考】ヘリコプターやドローンとの比較

注: 素人の筆者が独自に調査しまとめたものであるため、表現が正確でない場合があります。

2.「空飛ぶクルマ」の市場動向

空飛ぶクルマの市場規模と成長予測

現在の市場規模は、全世界で600億円(メーカー販売金額ベース)とされていますが、2050年にはその規模が184兆円に達すると予測されています。

2010年代の航空業界における製造、販売、整備の市場規模が世界で約130兆円とされていることを考えると、空飛ぶクルマが25年後には飛行機と同じくらい身近な存在になっているかもしれません。

主要企業の取り組み

空飛ぶクルマの開発に注力している主要な企業をご紹介します。

国内企業の動向

  • スカイドライブ: 日本のスタートアップで、自動車会社のスズキと業務提携をしながら、eVTOLの開発と実証実験を進めています。2025年の大阪・関西万博でのデモンストレーション飛行の実施を予定しています。

  • ホンダ: 「ホンダジェット」に続く空の新ビジネスとして、空飛ぶクルマの開発にも力を入れています。

  • テトラ・アビエーション: 2018年に設立した東大初のベンチャー。eVTOLの開発を行い、国内外での実証実験を進めています。

海外企業の動向

  • Joby Aviation: アメリカの企業で、トヨタと協業でeVTOLの開発と商業運航を目指しています。2025年からの商業運転開始を予定しています。

  • Archer Aviation: アメリカの企業で、eVTOLの開発を進めており、2025年からの商業運転開始を計画しています。

  • Lilium: ドイツの企業で、ジェット式eVTOLの開発を進めています。

ヘリコプターや自家用ジェットとは違い、次世代の大衆向けモビリティサービスになりうる可能性を秘めていることから、スタートアップの参入が活発な印象です。

3.「空飛ぶクルマ」がもたらす未来

今回、調べてみて「空飛ぶクルマ」が社会実装されるメリットは以下の2つだと感じました。

  1. 運航ネットワークが拡大
    従来の移動手段では行きにくかった地域への移動が簡単になるため、「場所」と「頻度」の観点でアクセス性が向上する

  2. 時間の節約
    他の移動手段と比較して、移動時間を大幅に短縮できる

そのうえで、「都市部」と「地方」ではどのようなことが起きるのかを想像してみました。

都市部での変化

1.渋滞が緩和される

渋滞を避けて迅速に移動できる空飛ぶクルマが、地上交通を補完するため、移動の効率が大幅に向上します。

東京駅から成田空港まで高速道路を使って移動すると、「渋滞なしで約1時間かかる」のに対して、空飛ぶクルマだと10~20分で到着できることを考えると、需要は高そうです。

2.建物の屋上活用が進む

バーティポート(=空飛ぶクルマの発着場)が高層ビルの屋上や商業施設に設置されることで、都市のインフラが垂直方向にも広がりそうです。

都市空間の活用方法が多様化し、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性がありそうです。

地域社会での変化

1.地方を再評価する動きが活発になる

過疎地や山間部、諸島など交通の不便な地域でも、空飛ぶクルマによって短時間でのアクセスが可能になり、本来スポットが当たりにくかった地域の経済や観光が活性化することはイメージしやすいですね。

「地方の魅力を再評価する」動きがさらに加速する可能性が高くなりそうです。

2.人口分散が促進する

隣の大きな都市への人口集中を抑制し、周辺地域に住み続ける動きを促進する可能性がありそうです。

リモートワークと組み合わせることで、地域の持続可能な発展の一つの要素として期待できそうですね(タクシー通勤する人なんてほとんどいないと思いますので、現実的には移動運賃がどれだけリーズナブルになるかに左右されると思いますが…)。

3.医療や災害対応が強化される

緊急時の医療搬送や災害支援に空飛ぶクルマが活用されることで、迅速な支援が可能になりそうです。

ニュースを「見て終わり」にするのではなく、少し立ち止まって疑問を持ってみる。

私も今回、少し時間を使って調べてみて、「空飛ぶクルマ」がいかに大きなインパクトを持つ産業になる可能性があるかが分かりました。

さらに、ChatGPTなどのツールを活用して、将来起きそうなことを予想してみると、「将来、自分だったらこんなビジネスを起業するな」と妄想する楽しさまで味わうことができます。笑

4.bonが妄想する新ビジネス「空飛ぶクルマ×〇〇」

ここからは完全に趣味であり、妄想です。

私がこの記事を書いている時にまっさきに思ったのが、「日本各地で増加する廃校を、空飛ぶクルマの地域空港として再生させることができないか」という妄想でした。

空飛ぶクルマの新移動時代に向けて、廃校を活用することで、地域社会に新たな価値と活力をもたらす未来の空港を作れないか…と。

妄想の背景

日本では、少子化や過疎化の影響で、2002年度から2020年度までの19年間に公立学校約8,580校が廃校となっています。

単純に計算しても、年間約450校のペースで廃校数が増加している計算になります。さらに、出生数の減少傾向が続く中、今後20〜30年で廃校数はさらに増加することは容易に想像できます。

これらの未利用施設をどのように活用するかは、地域社会にとって重要な課題となっています。

「廃校問題」と「空飛ぶクルマの課題」における結節点

廃校の一番の課題は、「施設の維持管理費を負担し続けなければいけない」ことです。

解体するにも費用捻出が難しい自治体も多いことから、地域活性化の観点からも廃校の有効な活用方法が求められています。

一方、次世代の移動手段として注目される空飛ぶ車(eVTOL)の実用化に向け、離着陸場である「バーティポート」の整備が必要とされています。

しかし、具体的な設置基準や運用方法については、まだ検討段階であり、実際の整備には課題が残っています。

よって、「増加する廃校施設の有効活用」と、「空飛ぶ車のインフラ整備」という2つの課題を組み合わせることで、地域社会の活性化や新たな交通インフラの構築に寄与できるのではないか。

そんな安直な妄想について、真剣に考えてみました。笑

Microsoft Copilotを使って作成

1.バーディポート建設費用の算出

未来の空港を妄想するために、発着場を作るところから考えてみました。

バーティポートの建設費用に関する具体的なデータは調べることができなかったため、ヘリポートの建設費用からイメージを膨らませてみようと思います。

こちらは、佐賀県多久市の病院施設にヘリポートを作る計画で算出されたものです。

・地上ヘリポート:約6,000万~8,000万円
・建物屋上ヘリポート:約1億5,000万~1億8,000万円

https://www.city.taku.lg.jp/uploaded/attachment/11431.pdf?utm_source=chatgpt.com

バーティポートはヘリポートと異なり、空飛ぶ車が「航空機」の分類であることから、保安検査場など特有の運用要件に合わせた設計や設備が必要となるため、実際の費用はこれらの推定を上回る可能性があります。

ただし、国土交通省はバーティポート整備に関する実証事業費補助金の公募を開始しており、基本施設や付帯施設、旅客利用施設の整備にかかる費用の一部補助があるようです。

これらの情報を基に、バーティポートを地上(例えば、運動場)に建設する場合、推定の上回り分と補助金が相殺し合って、1億前後が近いのでは、と推測できそうです。

発着場所のほかにカフェやショップなどを併設するとすれば、さらに2億前後の追加費用がかかり、合計3億前後の改修になる可能性は全然ありそうです。

ちなみに、新しいものを作るのに1億かかるとして、「現状どれくらいの費用がかかっているのか」を調べてみました。

廃校の年間維持管理費は、施設の規模や状態、立地条件によって異なるようですがが、いくつかの事例から約200万と推定できそうです。

一方、解体となると…、
建物の構造、延床面積、築年数、立地条件、アスベストなどの有害物質の有無など、多くの要因によって変動するようですが、埼玉県入間市の事例では、4,150㎡の小学校の解体工事費が約1億375万円とありました。

2.収益規模と投資回収期間の算出

空港の収入源は、以下の2つに分かれるようです。

航空系収入:滑走路や誘導路、駐機場の使用料など
非航空系収入:駐車場やレンタカー料金、小売店の賃料、広告料など

三井物産:空港サービス産業の世界動向より

ざっくりですが、以下のような収入源を予想してみました。

  • 発着料:空飛ぶ車の運航会社から徴収する料金。

  • 整備サービス収入:整備基地でのメンテナンスサービスによる収入。

  • 商業施設収入:併設するレストランやラウンジの売上。

  • 宿泊施設収入:宿泊サービスの提供による収入。

ここからさらにざっくりになりますが、仮定の数字を置いて年間収益を推定してみたいと思います。

  • 発着回数:1日あたり10回の発着、年間約3,650回。

  • 発着料:1回あたり3,000円。
    発着料収入:3,650回 × 3,000円 = 1,095万円

  • 整備サービス:1日1台の整備、1回あたり30,000円。
    整備サービス収入:365回 × 30,000円 = 1,095万円

  • レストラン・ラウンジ売上:1日あたり30人利用、1人平均2,000円消費。
    レストラン・ラウンジ売上:30人/日 × 1,500円 × 365日 = 1,643万円

  • 宿泊施設稼働率:10室、稼働率50%、1泊1室15,000円。
    宿泊収入:10室 × 0.5稼働率 × 15,000円 × 365日 = 2,738万円

年間総収益:1,095万円 + 1,095万円 + 1,643万円 + 2,738万円 = 6,571万円

単純計算ですが約4.4年で改修費用を上回ることが可能と推定できそうです。

まとめ

この推定はあくまで仮定に基づく概算です。
実際の回収期間は、需要や価格設定・規制・競合状況など多くの変動要因によって、かすりもしない数字になっているかもしれないですし、近い数字になっているかもしれません。笑

でも、こういった少しの妄想が、皆様の新しいアイデアとなり、未来に向けての一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

「これから私たちがどんな未来を描いていくべきなのか」

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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