うつかも、と思ったら
⑯ 新型コロナウイルス感染症の拡大により、「コロナうつ」という言葉が生まれるこのご時世で、精神科の予約が1ヶ月ほども取ることができないという現状がある。その間に、辛い状態が限界に達してしまった際にあちこち病院に連絡をしても予約が取れないことも珍しくなく、行きたい心療内科があっても何週間、場合によっては何か月も待たされてしまうこともあるのである。
患者の中には「うつっぽい」という感覚がわからないという声も多い。
たしかに、風邪のように熱が測れたり、何らかの病気のように特定の症状が出るわけでもなく、受診するタイミングが自分の判断ではわからないということも、精神科まで出向くのにハードルが高い要因として考えられる。また、メンタルには波もあり、今日は昨日は辛かったけど今日は元気だから、と自身のSOSの感覚を自分で蓋をしてしまいがちなことも、受診するべきタイミングの判断が難しいということもある。
いつ収束するかもわからない未曾有の事態に包まれたこの世界に生きている以上、誰しもが見通しのつかないこの現状にストレスを感じていることは言うまでもない。しかし、こうして気持ちが落ち込んだり、憂うつな感じがあっても「自分だけではなく、他の人もかんじているかもしれない」「これはただの自分の甘えなのでは」と思い、そんな状態で受診したら怒られたり、笑われたりしないだろうかと精神科への受診をためらってしまうという声もある。
精神科医として声を大にして言いたいことは、どうか心配せずに駆け込んできてほしいということである。
精神科の病気も、他の科の病気と同じように症状の早期発見と早期改善することが良好な経過に繋がるため、少しでも「うつかも・・・」と感じたら、まずは一度精神科に足を運びに来て欲しい。
セルフチェックの目安としては以下を参考にするといいだろう。
気分編
・やる気がでない
・気分の落ち込みが激しい
・なんだか憂鬱な感じ
・いなくなってしまいたい
体調編
・眠れなくなった
・食欲が落ちた
・動悸がする
・倦怠感がある
・頭痛、腹痛、吐き気がある
仕事編
・朝起きたくても起きられない
・ケアレスミスが増えた
・集中力が低下している
もちろん、全てに当てはまる必要もないし、何個以上ではないから大丈夫、ということではなく、一つでも当てはまるものがあればまずは一度、受診してみるのがオススメである。
(次の記事も参照 https://note.com/bon33bon/n/n2821b6464293)
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