見出し画像

読む本のジャンルが偏ってしまうあなたに - 自然科学編 天文・宇宙

皆さん、こんにちは
takataroです。

本は読むけど、なんだかジャンルが偏りがち。
新しいジャンルの本に挑戦してみたいけど、何から読んでいいのかわからない。

こんな悩みをお持ちの方はいませんか?

このコラムでは、特定ジャンルの本を一冊ずつ取り上げて紹介していきます。
読書の幅を広げるのに少しでもお役に立てるよう情報を共有していきたいと思います。

今回は自然科学、その中でも天文・宇宙を取り上げます。

皆さんは、天文・宇宙というと何を思い浮かべますか?

私は、夜空に輝く星を思い浮かべます。
私たちが見ている星は、今の星の姿ではなく、何百万年も前の姿だということが、とても不思議でワクワクします。

かのアインシュタインは、宇宙について以下の言葉を残しています。

宇宙についてもっとも理解し難いのは、宇宙が理解可能だということだ

アルベルト・アインシュタイン

謎の多い宇宙ですが、その解明の過程でさまざまなドラマが生まれています。
宇宙は将来的に膨張するか縮小するかの議論が盛んだった頃、アインシュタインも自ら提唱した理論の間違いを認め、修正を余儀なくされました。

個人的には、宇宙の話好きなので、オススメしたい本はたくさんあるのですが、今回紹介するのは以下の本です。

佐藤勝彦『宇宙は無数にあるのか』集英社新書

突然ですが、皆さんは宇宙は一つだと思いますか?

普通一つだと思いますよね。
というよりかは、そもそも宇宙がいくつあるかなんて、あまり考えないですよね。

我々人間が存在し、認知している宇宙、これはあまりにも人間にとって都合良くできているようです。確かに、酸素のある地球、その地球に光を送る太陽、少しでも条件が異なれば、人間は存在できなかったのかもしれません。

本書では、まず以下の問いかけから始まります。

「この宇宙に私たち人類が生まれたのは偶然なのか、それとも必然なのか」
「観測者のいない宇宙は存在し得るのか?」

佐藤勝彦『宇宙は無数にあるのか』株式会社集英社,ニ〇一三年六月十九日第一刷発行,14ページ

次に、宇宙について解明されてきたことについて、平易かつ明瞭に述べられます。私のような文系の人間にとっても読みやすく、面白く書かれています。

そして、宇宙のことが、解明されていく過程で、新たに出てくる「人間にとって都合良くできている」という疑問。
その疑問を考えていく中で、以下の考えが出てきます。

 「宇宙は無数に存在し、それが異なった真空のエネルギー密度を持っている。その中でも、知的生命体が生まれる宇宙のみ認識される。現在の値より大きな値を持つ宇宙では天体の形成が進まず、知的生命体も生まれない。認識される宇宙は今観測されている程度の宇宙のみである」
 ここで「宇宙が無数に存在」すると言っているのは、私たちの住む宇宙が無限に広がっているという意味ではありません。「この宇宙」のほかにも、無数の宇宙が存在するという意味です。

同書78ページ

我々の宇宙以外にも無数に宇宙が存在するなんて。にわかには信じ難い話です。
しかしながら、解明が進むほどに、その説の説得性が増していきます。

宇宙は一つだからこそ、英語でユニ(一つの)バースなのに、まさかマルチバースという考えがあるとは。

本書は、知的好奇心をとても刺激してくれます。

興味のある方は、是非手に取ってみてください。

いいなと思ったら応援しよう!