今だから観るべき映画「ジュリアン」(アマゾンプライム)
多分数年前の映画になると思うが、現在アマゾンプライムにおいて視聴可能のフランス映画。
かなりドキュメンタリータッチでホラーかと思えるほど怖い。ジュリアンは11才の少年で両親は離婚しており、彼は姉と一緒に母親のもとで暮らしている。両親の離婚原因は父親のdvなのだが、裁判所は両親の共同親権を認めてしまう。母親は嘗ての父親(要するに元夫)のdvの精神的外傷傷が癒えず母親との復縁を求める父親が母親の所在地をこのジュリアンに烈しく問い詰める。最初は拒むジュリアンだったが耐えきれず、母親のもとに父親を連れて行ってしまう。最初は泣いて復縁を求める父親だったが、母親に刻まれると態度を急変し、暴挙に出ると言うお話。同じような事例はフランスも共同親権導入時には多発したようだ。現在は共同親権のハードルも高くなり、フランスの警察は幼児虐待や離婚者の素妻への虐待など専門部署があり、最優先に対応しているとのこと。日本の場合共同親権を認めてもその際に発生する事象についての対応は心許ないというのが事実だ。共同親権導入が家父長制(嘗ては離婚した場合親権は家父長が握り、女性は放り出された‥)日本の場合共同親権はこの家父長制の延長線上にあるのではないか(つまり女性や子供が家父長的家族性に縛られるのではないか)と思われるのだ。男性が親権を持てない理由なくの一つが「男性が外で働き女性が家庭で子育て」と言う構造にあったのは時事通信社だが、専業主婦の割合は80年代の半分になちた。しかしまだまだ女性の対男性賃金格差は大きい。リアルに共同親権を望む切実な声も確かにわかるが、こういった構造的欠陥を直してからの共同親権導入でも遅くない。映画のような事象が起こらない事を切に願う。