PS5値上げ...PS5に8万円の価値はあるのか。10年後にPlayStationはあるのか
2024/8/27 PS5の値上げが発表された。
PlayStation5(通常版):¥66,980 → ¥79,980
PlayStation5(ディスクレス版):¥59,980円 → ¥72,980
「高すぎでは!?」と驚くと同時に、この日が来ることはどこかで分かっていたような気もする。
というのも現在、アメリカでPS5がいくらで売られているかというと
PlayStation5(通常版):$499.99
PlayStation5(ディスクレス版):$399.99
のようになっている。日本円で換算すると
PlayStation5(通常版):¥72511.55
PlayStation5(ディスクレス版):¥58008.95
になる。つまりこれまでSONYは、昨今の酷すぎる円安による値上げをある程度は抑えていて、アメリカよりも10000円程安い値段で日本に売っていたことになる(現在の値段も2022年に値上げされた経緯はあるが…)。これを考えると、この値上げは妥当ではある。
とはいえ私たち消費者からしたら、ゲーム機に8万円は厳しすぎる。
そして何より印象が悪い。来年には皆が待望するモンスターハンターワイルズやGTA6が出て皆で盛り上がるこのタイミングでの値上げだ。円安や世界情勢などの外部環境を考えると致し方ないのだが、やはり厳しすぎる。
そこで今回は、果たしてPS5に8万円の価値はあるのか、そしてPlayStationは今後どうなっていくのかを好き勝手に話していく。
PS5に8万円の価値はあるのか
結論から言うと、「価値はまだまだあるが、だいぶ低くなってきている」と考えている。様々な側面から見ていく。
→値段の面
まずは何といっても値段の面から見ていこう。PS5くらいの性能のゲーミングPCを調べてみると、だいたい12万円程だ。この時点でPS5はPCよりも4万円程は安くゲームを遊ぶ事ができる。しかもPCの場合、ゲームを動かすためのキーボードやコントローラーを別途で購入する必要がある。その点PS5には初めから1万円程するコントローラーが付属していて、このコントローラーも非常に多機能で優秀なものだ。
しかし、その値段の安さという強みは時間が経てば経つほど無くなっていくことも認識しておいた方がいい。というのもゲーミングPCの場合は、新しいグラフィックボード(ゲームをするうえで一番重要なパーツ。簡単に言うと、このパーツの性能が高ければ高いほど高パフォーマンスなゲームプレイを実現できる。)が毎年発売され、その最新のグラフィックボードを搭載したPCが山ほど発売される。つまり、PS5が発売された2020年の時点では、その当時の最新のグラフィックボードを積んだPCとPS5の性能はそこまで変わらなかったかもしれないが、年が経てば経つほどその差は広まっていく。実際その差は着々と縮まっており、この間発売されたばかりの「黒神話悟空」というゲームはPS5で動かすと若干動作が不安定で重いといったこともあった。今後更に高パフォーマンスが求められるゲームが続々と発売されていくことを考えると、PS5の性能不足を感じる機会が少しずつ増えていく可能性が高い。
実際、昨日に家電量販店のPCコーナーを見に行ったのだが、比較的最新のモデルでPS5よりも遥かに性能の良いグラフィックボードであるRTX4060が搭載されたノートPCが15万円で売られていた。値段はPS5の約2倍だ。これを高いと思う方もいるかもしれない。だが、PS5の2倍の値段を払えば、ゲームだけではなく仕事など様々な用途で使え、ゲームを遊ぶ上でもPS5より高性能で、持ち運びも可能なものが手に入ってしまうのだ。これをどう思うかは人次第だが、最近はPCで仕事をする人が増えてきていることを考えると、「もうPCを買ってしまった方がいい」と思ってしまう人も少なくないはずだ。
→コスパの面
前項で、PS5の方がPCよりも4万円程安くゲームを遊べるといったが、コスパの面はどうだろうか。これに関しては、PS5はPCよりもゲームを遊ぶ上でのコスパが優れていると考える。
理由は2つ。
1点目は、PS5の方がゲーム体験が優れているからである。PS5はプレイヤーの没入感を高めるという点で、PCや他のゲーム機よりも遥かに優れている。具体的に言うと、コントローラーからの振動だけで、心臓の鼓動、どのような材質の上を歩いているか、剣と剣がぶつかり合い弾ける感覚、弓をギュッと引き絞る感覚など、様々な感覚を味わうことができる。これは言葉で聞く以上に実際に体験するときの驚きが凄い。その他にも、ゲームによっては爆速(凄いものだと1秒ほど)でオープンワールドのような広いマップをファストトラベルできたり、3Dサラウンドで横や後ろから音が迫りくるような感覚を味わえるなど、とにかく没入感を高める機能が凄い。
2点目は、最適化の面だ。PS5に出るゲームは、基本的にはPS5に最適化された状態で発売されるため、安心してゲームを遊べる面がある。もちろん全てのゲームに当てはまるわけではない。だが同じゲームでもPS5では安定して遊べるのに対して、PCだと高性能なPCでないと安定してゲームを遊べないケースが多々ある。PCは4年程経つと最新のゲームを遊ぶのが厳しくなってきて買い替えが必要になってくる反面、PS5はゲーム会社側がゲームをPS5向けに最適してくれるため、基本的に6年ほどは何とかPS5だけで食いつなぐことができる。「ある程度グラフィックが綺麗だったら満足」、「ゲームを安定して遊べればいい」のような最新の性能を求め続けるわけではない人にとって、PS5のコスパは高いと思う。
→ソフトラインナップの面
PS5には、PS5でしか発売されないゲームや、時限独占でPS5に発売されるゲームも多い。FF16、FF7Rebirth、サイレントヒル2、ライズオブローニン、ゴーストオブツシマなど名作タイトルが多い。大半のタイトルは時限独占で、最終的にはPCでも発売されるケースが多いが、1年~2年待たされることも多いので、少しでも早く遊びたいゲームがPS5独占で発売されている場合はPS5を買う必要が出てくる。
また、「PSプラス」という有料のサブスクリプション制サービスがある。このサービスが破格で、月1300円程で大量の名作ゲームを遊び放題になる。ラインナップは本当に名作揃いだ。ソフトを購入する額を減らすことにも活用できるので、PCに比べて強いサービスがある点もPS5の強みだ。
→8万円の価値はあるが、その価値には気づきにくい
PS5に8万円の価値はあるが、その価値を感じずら過ぎる。最新のグラフィックを求め続けないけどある程度は綺麗なゲームを遊びたいというライトユーザ向けのゲーム機だと思うのだが、ライトユーザの大半は任天堂Switchに流れている。高性能なゲームを遊びたいヘビーユーザの大半はPCに流れている。つまりヘビーユーザとライトユーザの中間層というか、ライトユーザの一部に刺さるような凄く微妙なゲーム機になってしまった気がする。だが実際は、値段に対する性能やコスパを細かく見てみると価値はある。ここまで深堀しないと価値が見つかりずらいというのは、かなり致命的なのではないか。
10年後にPlayStationはあるのか
ここまでPS5とPCの値段の差が縮まってくると、PlayStationの価値自体が揺らぎ始めている気がする。仮にPS6が発売されるとすると、PS5と同等かそれ以上に高い値段になることも考えられる。そうなると、今までPlaySationの強みである「PCよりも安い値段で高性能なゲームを遊べる」という部分が益々薄れる。ではPlayStationは無くなるのだろうか?
私はPS6辺りまでは今のような形で続くと思う。だがその先は、残念ながら私たちが親しんできた「PlayStation」というゲーム機器は無くなると考える。その代わりに、SONYが今までのPlayStationで培ってきたノウハウを詰め込んだゲーミングPCが発売される形になる気がする。そしてこれまでのような、ゲームの没入感を上げるような質の高い機器(ヘッドセットやコントローラ…)、世界トップクラスのゲームソフト(スパイダーマン、ホライゾン…)などでPlayStationとしての強みを発揮していく流れになる気がする。
PC自体はPlayStationが誕生する前から存在していた。PlayStationが猛威を振るっていたPS2時代でも、PCでゲームは遊べていた。だがPCが非常に高価だったのだ。だがここに来てPCが一般層に普及し、安価になった。それによりPCとPS5の値段差が縮まってきた。それが今の状態だと思う。
「むしろ今まで、本当は高価な値段のPCを買ってゲームを遊ばなければならなかったところを、PlayStationがゲーム機というシンプルな機能と手の取りやすい価格で我々一般層に届けてくれていた。やっとその役目を終える時代が迫ってきた。」
ということだと思う。
結論:日本がヤバい
ここまで色々語ってきて何なんだが、今回話してきたことは日本に住んでいて日常で円を使用している私目線での話だ。海外では日本で騒がれているほど「PS5=高すぎる」というイメージはないだろう。過去に海外でPS5は値上げしたことがあるし、PS4の時から比べるとPS5の値段が高い点は日本と海外共通だが、海外の場合は日本と違って物価が上がるのに合わせて賃金も上がっている点が大きな違いだ。
物価や税金が上がって手元に残るお金が減ってきているのに賃金は上がらない、そこに加えて円安…この日本がヤバいのだ。
今回のPS5の13,000円の値上げは、ビジネス的には分からないが、客観的に見ると妥当なものであったと思う。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
今回は少しグチグチした記事になってしまいましたが、普段は楽しいゲームの記事を書いています。他の記事も読んでくださると幸いです。
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