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布団の中の世界
寝る前に、電気敷毛布で布団を温めるのが日課になっている。
スイッチを入れ忘れる日もある。
そんな日は、布団が冷たくて冷たくて、とても寝られたもんじゃない。
家族におやすみ、と告げて寝室へ向かう。
いそいそと布団に入ると、丁度よく暖かい。
掛布団と毛布に肩まですっぽりと潜り込むと、じんわりと気持ちがとき解される。
眼鏡を外して、スマホのアラームを設定し、枕の下に忍ばせる。音は鳴らさずにバイブレーションで起きるスタイル。
ただ、最近の困り事がここから。
どうもなかなか寝付けないのだ。
隣にいる娘とお話をしながら寝かしつけて、以前は同時くらいにわたしも寝ていた。
スマホタイムに突入することもあった。
近頃はスマホは見ず、常夜灯に照らされた天井をぼーっと見つめる。
眠れずにいると、様々な考えが頭の中を回り始める。休職中のため、焦りや不安がぐるぐる。
ぐるぐる考えても何もいいことはない。
わかってはいるが、思考は止まってくれない。
そうしているうちに息子も隣にやってきて、二言三言交わして、気付くと彼もまた、わたしより先に眠っている。
2人は寝る位置がわたしにとても近い。
娘はわたしの首元に手を入れて、息子は布団を越えて足を絡ませて寝る。間に挟まれるわたしに、寝返りを打つという権利はない。
いつまでこうしてくっついて寝てくれるのかなと思うと、少し寂しい。
寝付けずに起きているし、暖かいからいいのだけれど、時々、隣の部屋で一人のびのびと寝ている夫が羨ましくなる夜もある。