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経験した武道、武術について10

この話で10回目となる。
意外に書くことがあるなというのが私の素直な感想だ。
また、過去のことを書く時、そういえばそういうことあったな、など忘れていたことも結構あった。
そういう意味では色々思い出せて良かったと言える。
また今記録してなかったら、この先忘れてしまう出来事はかなりあるだろう。
一応、この回で経験した武道、武術についての話は終わりとなるがあとわずかお付き合い頂きたい。

さて、前回実家に戻ると書いた。
約12年間ほど1人暮らしだった。
1人暮らしから実家の両親と一緒に暮らすというのは勝手が違い、再び集団生活に慣れるまでは何かと大変だった記憶がある。
後に今の妻と出会い、子供も出来たが、この実家に戻った時の集団生活経験が活きていて極めて円満だ。

実家ということで地元に戻った訳だが、転職が決まるまではなかなか難航した。
その後、現在の仕事になるまでは2回変わっているが、それも今考えると経済の影響など、色々あり、人生山あり谷ありだなあとしみじみ思う。

また、地元に戻ってからボランティア含め、これまでしてなかった活動を行った結果、非常に多くの方々と出会い、沢山刺激を受けた。

そういう新たな事から得られる経験が非常に有意義だと感じ、武道や武術を再び開始する際、今まで経験した以外の武道、武術をやりたいという考えになった。

その時はネットやYouTube、そして秘伝など書物で調べた。
結果、以下の武術を検討した。
・八極拳
・古式ムエタイ
・護身術剣
・沖縄拳法

八極拳、古式ムエタイは関心はあったが、今一つやりたいという感じにならなかった。

護身術剣は大東流合気柔術を元に作られた護身術だが、見学した結果、やりたい内容とは違うように思い、選択から外した。

さて、沖縄拳法だが、以前、中国武術を習っていた時に、本屋で新垣清先生という空手の先生が書いた「沖縄武道空手の極意」という本が売っていて、購入して読んだことがある。
単に武術の見識を深めるための研究用だったのだが、沖縄空手の独特の身体操作をナイファンチという型で身につけると書いてあり、知っている空手と違っていて、なんだか不思議な空手があるんだなあと思った。

沖縄拳法はYouTubeでたまたま見つけたのだが、伝承者の先生の動きや技の威力、中国武術とは違う威力の出し方は非常に興味深かかった。

この沖縄拳法は型で動きや威力を身につけると説明しており、その型はナイファンチとセイサンだとある。

以前に読んだ新垣清先生の本のことを思い出し、興味を持った。
新垣清先生のナイファンチとは理論が違うようだが、格闘家も入門するほどの威力を備えているいうことだった。

結局、地元の近くにあった沖縄拳法の支部道場を見学し、入門することになった。

練習内容はナイファンチやセイサンという型を中心に練習した。
中国武術の套路とは違うなと感じたが、それは身体操作が違うからだろう。
空手専用の動ける身体作りのための型であり、その使い方は過去に学んだ中にはなかった。

他には、二人一組で太極拳のような推手みたいなのもあれば、力いっぱい交互に押す相撲みたいな練習、取手という合気道みたいな練習、また背中の鍛えというものなど不思議な練習もあった。

沖縄拳法では後に武器の練習でさらに身法を鍛えて行くのだそうだ。

中国武術の練習を振り替えると、套路をする時は気の流れの意識や全体的なバランス配分、重力の意識や流派の身法、技の繋がりや発勁を重視するというのが多かった記憶がある。

沖縄拳法は型をする際、重心を揃えての一体的な動き、手足末端からの発動、手足と中心の繋がりを意識した。
また実戦的な練習として、相手と繋がった状態にしてからの崩し、誘いによる攻撃の誘導など人間の持つメカニズムの盲点の理解など中国武術の戦術と違うところが結構あった。

中国武術も浅くしか理解してないため、深奥まで行くと、沖縄拳法と変わらないという感じかもしれないが、今となっては分かりようがない。

沖縄拳法だが、こちらは約3年くらいで退会する。
理由は内部の人間関係の問題で練習が難しくなったためだ。
沖縄拳法は優れたカリキュラムがあるが、その中で組んで行う練習があり、今回たまたま所属のところの先輩と合わなくなり色々難しくなったのだ。
別の支部に移動も考えたが、狭い世界だけにまた顔を合わすのも気まずく止めることにした。

そして、現在に至る。

沖縄拳法を止めた後、縁があり、今は違う流派の沖縄空手を学んでいる。

流派が違えば、型の内容や解釈も変わり、鍛練や動きの質も変わる。

結果的にこの習っている沖縄空手が今までの学んだ中で一番しっくりきた。

もし人生の早い段階でこの流派を学んでいたら続いていたか分からない。

今まで色々見て、悩み、考え、研究し、鍛練し、自身が変化した結果、今の沖縄空手のカリキュラムや体系、思想が合ったのだと思う。

その証拠に私より後に入会し、先に退会した人も沢山いる。
流派が優れていても合う人もいれば合わない人もいるのだ。

何か問題が起こらない限り、続けていきたいと思っている。

ようやく私の武道武術を探す旅も終わりがきたようだ。

連載の結びだが、様々な武道や武術を経験し、私自身は成長したと思うが、それだけでなく、他の要素もあったからだと思っている。

様々な人間関係や仕事、プライベートの出来事、社会環境等様々な状況も相まって、私の心的、また身的に化学変化が起こり、結果成長に繋がったのだろう。
失敗したらマイナスになっていることもある。
たまたまだが、無理せず我慢しすぎないなどの性格や思考も良かったかもしれない。

内家拳で学んだことだが、この世は陰陽で成り立っている。

陰陽のバランスが崩れた場合、例えば武術ならばやり過ぎて身体壊したり、人間不信になったり、社会生活不適合や常に経済的に苦労ということになる。
実際にそういう人を何人か知っている。

運もあるが、武道や武術から智恵を学んだおかげで、人生がマイナスにならないように陰陽のバランスを考えられたことが今の私に繋がったのだ。

これまで学んだことを活かし、今の沖縄空手の練習を通して、より生きやすく楽しい人生にするためにできる限り努める。

今はそれだけを大切にしたい。

これまで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

次回以降は何を書くかはノープランですが、また書いた際は読んで頂けると嬉しいです。

     経験した武道、武術について  了

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