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初見アライアンスレイドを制限解除で駆け抜けられた話
ふと、思い出したので、私がまだ新鮮な若葉だった頃の話をしようと思う。
私は生まれからずっと、ゲーム禁止家庭で育ち、ゲーム脳の恐怖を母に説かれながら育ちました。
なので、ゲームはつまらい、危ないと思い込んでおり、ついでに兄が友達の家でゲームしているのを母にチクってご褒美をもらうことに勤しむ、ゲームアンチ派の人間でした。
なので、ゲームをしたのはFF14が初めてでした。
兄から「ゲーム内の人間関係が悪化して、女の子の話なら聞いてもらえるから仲裁してほしい」というとんでも理由で誘われ、周辺機器含め全て用意され、そこまでされたらやらない訳には…と、FF14もとい、ゲームの世界へ足を踏み入れました。
まぁ、仲裁と言って召喚されたはずなのに、レベル1で街に放置されて、音沙汰なし。
移動もまともにできない状態で3ヶ月ほど街をうろうろして過ごしました。
そして、3ヶ月経った頃「私も他のプレイヤーと遊びたい!!」と、兄に訴えました。
そして紹介されたのがその時、兄が所属していたFCでした。
(そのFCは姫ちゃん騒動で爆散する事になるのですが、とりあえずその話はまた後日。)
FCで歓迎され、みんなに操作やIDの動きを教わって、MMOのルールも学んでいきました。
親切なマスターは、IDで初見さんに出会うと、まとめを控え、手厚くフォローしてVCでも暖かく見守っていました。
面白い黒魔さんは、ストーリーが大好きで、決してネタバレをせず、私の感動や興奮を優しく聞いてくれました。
元気なナイトくんは、若葉の私でもみんなと同じように楽しめるような企画を考えてくれて、孤独感を感じること無くFCの活動を楽しめました。
戦闘が苦手で、クラフターを中心に楽しんでいる人も居て、戦闘でミスして凹んでいるととっても共感して慰めてくれました。
そんな、親切で道徳的な人達で構成されたFCが本当に大好きでした。
まさか、これ程、人間的に尊敬している人達が、あんな事をするとは思いませんでした。
ある日のこと
いつも通り、VCでFC面と楽しくおしゃべりしていたところ、「アラルレ回してない!」と誰が言いました。
ルーレットの存在もよくわかっていない私は「アラルレって何?」と聞いて、そこから、私がアライアンスレイドを解放していないことが発覚しました。
次のパッチは目前でした。
そして、次パッチは漆黒のヴィランズだったのです。
兄が「シルクスをやれ!!」と毎日つついて来るようになりました。
しかし、FF初心者どころか、ゲーム全般初心者の私は、何十人でやるコンテンツなんて恐ろしくて恐ろしくて、ずっと足踏みしていました。
兄は言いました。
「制限解除で、身内だけで行こう。」
そして、翌日に私は初のアライアンスレイドを解放しました。
解放までのストーリーはとても面白く、闇の世界、シルクスの塔、ヴォイドなど、ストーリー上ではちょくちょく聞いた単語をいざこの目で見れるとワクワクしていました。
新たなダンジョン、大人数用の見た事ないギミック、楽しみだなぁ〜!とそれはもうルンルンでした。
開始のムービーが始まり、
「ゆっくり見て!」「絶対ムービーは飛ばすな」
と、皆に言われ、コントローラーを置いて夢中で見ていました。
そして、ムービーが終わり、古代の迷宮が広がります。そして、画面にSTARTの文字。
その瞬間、FCのメンツが全力で駆け出しました。
あっという間に置いていかれる私。
ゲームに不慣れ過ぎた私は、マップを見る事を忘れ、壁に向かって延々と走り、行先が分からなくなっていました。
始まった直後、一瞬で迷子になりました。
VCでは「敵柔らけー!!」「一瞬で終わるじゃん!」と、大盛り上がり。
まって、私まだ敵の顔も見てない。
「まって、みんなどこ?!」
どれだけ待って!と声をかけても、興奮した戦闘狂達には届きません。
雄叫びにかき消されるか細い若葉の悲鳴。
そのうち、「あれ、おりちゃん(私)来てなくない?どうしたの?」と声をかけてくれる人も出てきましたが、その1人を除いて他の6名は「うおおお!!俺が1番だーー!」と、マラソンと敵撃破に夢中で全く私の存在を忘れている様子。
迎えに来てくれた人と、トコトコ進んでいきますが、もう敵は倒されただただ、平和なお散歩をしているだけの状態です。
それでも、エリアの移動で手間取ったりしていました。
そして、トコトコ歩いていると、突然ムービーが始まりました。
誰だろう。強そう。これがラスボス?
そう、奴らは、ティターンにまでたどり着いてしまったのです。
「ゆっくり見てていいからね!」
「ティターン、こうして見ると良いよね」
「もう終わるから頑張れ〜」
口々に気遣いの言葉が放たれます。
てっきり、私の存在を忘れているものかと思ったのですが、認識していたようです。
いっそ忘れていてくれた方が納得出来たのに。
そして、ムービーを見終わって、いざ最終決戦へ歩み出した瞬間、撃破後のムービーが流れ始めました。
そう、あろう事か、私がムービーを見ている間に、ティターン戦を始めてしまったのです。
そして、制限解除により生じた20レベの差はティターンを秒殺してしまいました。
ボスを見れなかった所か、ボスのエリアにすらたどり着けず、中途半端な道中で終わってしまった初めてのアライアンスレイド。
話の大筋は一応理解できましたが、全く感動がありませんでした。
呆然とムービーを眺めていると
「初クリア記念にSS撮ろう!」と、言い出しました。人の心が無いのだろう。
こんな悲しい事はありません。
楽しみにしてたのに。
みんな親切でモラルのある文明人だと思っていたのに。
その時に撮ったSSには、ある種、MMOの本質が写っていた気がしました。
散々だ。もうアライアンスレイドなんて行かない。そう誓いを立てようとした所、満足気な兄から放たれた一言。
「明日はシルクス行くから、ムービー終わらせとけよ!」
次回
「最速クリア!?5分で駆け抜ける初見シルクス!!」お楽しみに!!!!!