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中年じじぃの(愉快な)主張vol.22

ファッションについて (相乗効果、対比効果とテロリストについて)

2024/10/22

私はファッションに疎い。そして自分にファッションセンスがないこともよく分かっている。

若い頃(思春期の頃)は、それなりに見た目を気にした。だから年頃の男子が読む週刊誌などを参考に、いくつかのブランドの服を身に着けたりした。
思い出すだけでも恥ずかしい。

やがて少年は青年になり、青年は中年になった。いまや押しも押されもせぬオッサンになった私は知っている。

私にはファッションセンスがない。
というか、オシャレな服は似合わない。

だいたい、オシャレな中年男というのは、痩身で、背が高く、爽やかな顔をした、しかもそれなりに渋みのある、オッサンやジジイとは呼ばれぬ類の男のことだ。

私のような、顔がイカツく、体はでかいだけで、BMI値でやや肥満と呼ばれるオッサンはオシャレではない。

しかし、こういうオッサンがしてはいけない服装のことは分かっている。

ひとつ目は、ディズニーキャラなどが描かれた〝カワイイ〟系の服装である。

料理の用語で、対比効果というのがあって、例えば甘いものを作るときに少量の塩を入れると、より甘さが際立つ。

この対比効果によって、イカツいオッサンがカワイイ服装をすると、イカツさが際だち、よりイカツくなる。
これは事実だ。私自身の実証実験によれば。

ふたつ目は、迷彩柄のような〝ミリタリー〟系の服である。

これも料理の用語で、相乗効果というのがある。同じ旨味成分でも、動物系と魚介系を組み合わせることで、旨味が数倍にも高まる。

この相乗効果によって、イカツいオッサンがミリタリー系の服を着ると、イカツさが数倍にも高まる。
これは仮説だ。怖すぎて実証実験ができない。


きっと私が迷彩服などを着て歩いていたら、街なかにテロリストが放たれたと思われるだろう。
通報され、危険事案としてネットに上がり、小学生は集団下校を強いられるだろう。

下手をすると、迷彩服を着ていた罪で逮捕されるかもしれない。刑務所に収容され、安全な小市民になるためのファッションセンスを、何年もかけて叩き込まれるのだ。

そうならないように、私はいつも〝当たり障りのない〟服装を心がける。
〝当たり障りのなさ〟を全面に押し出したファッションブランドがあれば、私は飛びつくだろう。

ブランドの名は「HEIBON」。
ファッションショーでは、平凡さのかけらもない男たちが、このブランドの服を着ることで、見事な小市民となって歩く姿をみてもらうのだ。

イカツいやつ、危なそうなやつ、ガラの悪そうなやつ、通報されかねないやつ。
これを着れば、あなたも見事な小市民。
けっこう需要があると思うんだがなぁ。

えっ?
本物のテロリストが買いに来る?

 


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