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部下を馬鹿や無責任と批判する社長や上司。その言葉をそのままお返しします。
1.あいつは本当にできない馬鹿なやつだ:
「あいつは本当できないんですよ。なんど言ってもわからない。馬鹿ですね。」と、東大出身で、一流会社を経て、中小に流れてきた経理・総務部長が部下を批判する。
そうですね、馬鹿なのでしょうね。
でも、あなたもかなりのお馬鹿者ですよ。
東大を出て、一流会社を経ているのに、部下に適切な思考行動をさせられないなんて。しかも、何度言ってもわからせられないなんて。あなたの言い方が意味不明かもですよ。理解しているけど、あなたが嫌いで行動しないだけかもですよ。社会人だって人間です。社会人だって子供です。あなたが子供のように。リーダーシップは常にフォロワーシップより先ですよ。部下は自身の鏡ですよ。天井に向かって唾を吐くより、「あいつは良い奴なんだけど、どうも上手く鼓舞できないし、正しく行動させられないんです。私が未熟なんですけど。何か良いアプローチはないですかね? 私がどう変わるとよいのかしらね?」が正しい問いでは?
2.あいつは本当にやる気が無いやつだ:
「あいつは本当にやる気ないのですよ。6時近くになると帰宅モード。だいたい8月、12月は仕事する気が激減ですよ。あ、毎日か。もういい大人なんだから自分で自分に火をつけ、仕事に使命感持って取り組んでもらわないと困るんです。全く責任感が無い。しかしクビにはできないしね」と、中小企業の社長が役職の無い40代の部下を批判する。
そうですね、やる気なく無責任なのでしょうね。
でも、あなたもかなり無責任ですよ。
社員にやる気を起こさせるのは誰ですか? まずは社長ですね。これこそがまさに社長の仕事ですよ。ビジョンを示し、使命感を醸成し、鼓舞する。いわゆるやる気。この責任を放棄し、部下を批判するとは、あなたこそ仕事に使命感を持って取り組んでもらわないと困るんですけれど。
3.あいつはテキトーな嘘がつけない。営業不適格:
「あいつは本当に馬鹿正直なんですよ。嘘が下手というか、ちょっとは誇張すればいいんだ。誠実であろうなんて甘い。ナイーブ過ぎ。それでは営業は取れない。営業マンとして生きるなら、もっと臨機応変になれ!と口酸っぱく言うが、それはできません、なんて刃向かうんだよ、あのアホ」と、営業統括の役員が部下を批判する。
そうですね、営業マンとしてはイマイチなのでしょうね。
でも、あなたの下では、誰も立派な、できる営業マンにはなりませんよ。
真実はひとつ(ま、真実は何だ、という議論は脇において)。一方で、嘘や誇張に際限はない。例えば「この製品は現在、900件のお客様に導入頂いております」が真実ならば、1000件は当然に嘘。これがOKなら1200件でもよくなる。1000は良いけど、1001はダメとはならない。嘘は無限。
あることで嘘、あるいは誇張が許容されると、つまりは何でも許容されることになる。気づかずに。なぜなら、この嘘はOKで、あの嘘はダメ、なんてリーダーや責任者以外の誰がわかりえるのか? 導入数1000の嘘はOKで、導入数1001はダメ? 導入数の嘘はOKで、売上の嘘はダメ? こんなこと判断しようがない。結果として、営業メンバーは苦しむ。身動きが取れなくなる。自分の発言と、仲間の発言と、上司の発言と、資料の記載と、過去と今と、それぞれが支離滅裂/不整合/矛盾/食い違い・・・。もはや何でもありのカオス。そして、嘘をOKしながら問題になると上司は部下を批判する。つまり、営業メンバーは何もできなくなる。。。
それに、お客様を馬鹿にしてはならない。騙せるなんて浅はか。
嘘を許容してはダメなのだ。絶対に。こんな強固な方針の中で、うっかり生まれる嘘だからこそ、許され、挽回できるのだ。
会社は、経営は、事業は、職場は、リーダー(社長)/上司/責任者の、リーダーシップ次第だ。何かが上手くいかないときは、他者を批判する前に、自分に責任があるかな、と思うべきなのだ。組織なんだから。。。
お読み頂きありがとうございます。
(v10_26)