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「あなたの子は、あなたの子ではありません」? 「子供は矢で、親は弓」?

電車に乗っていると、しばらく会っていない昔の同僚に出会う。

「おー、ひさしぶりね。会社の帰り?元気?」
「うん、元気! そう、でね、子供ができたの」
「おーーー、それは良かった!」

というのも、とても素敵な女性なのだが、なかなか結婚できず、40歳を超えて結婚したから、なのだ。不妊治療もしていた。


で、偶然は重なった。ボクが降りた駅で、2年振りぐらいか、かなり長い付き合いの友達にばったり会う。「6時15分までに預けているところに迎えに行かないとだけど、まだ、余裕あるの」とのことで、久しぶりだったのでちょっと立ち話。

そしたら、「第2子ができたの」とのこと。

あれれ、さっきも似たような話をしたのだけど、こちらは多少、笑える。と言うのも、そのまさに2年ぐらい前の時に、旦那が気に入らない、うざい、手伝わない、離婚したいとか、どうしてこんな人と結婚しちゃったのだとか、年齢であせってしまったか、とか、うだうだ愚痴っていたので。

あらら、想定外。

でも、それこそとっても良かったのだ! 仲良くが一番。そして人口減の日本においてプラスマイナスゼロでありがとう、なんて冗談も。ということで、「もう、旦那の悪口なしだぞ!」と伝えて、お別れ。


ということで、偶然がふたつ重なり、久しぶりに会えたし、幸せ話を聞かされ、ニコニコしていたのか、今度はいつも行く歯医者さんにばったり出会ってしまう。もはや怖い、この偶然。多くが帰宅する時間で、地元の駅だから、ありえるけれど。。。

「あ、お疲れ様です。お仕事終りですか?」
「あ、いえ、まだです。ちょっと予約まで時間があっての買い出しです」
「あ、診療時間、19時ぐらいまででしたものね」
「そうです。19時30分。なんか楽しそうですね。ほがらかな感じ」
「ほがらかって、なんですか? でも歯医者で普通ニコニコしないですよ」
「あ、ま、ですね」


ほがらかって何だ?と思いながら、雨も降り出したから、さっさと仕事先に向かったのでした。


子供の話になると、いつも思い出す、素敵な詩。

 あなたの子は、あなたの子ではありません。
 自らを保つこと、それが生命の願望。そこから生まれた息子や娘、それがあなたの子なのです。
 あなたを通ってやって来ますが、あなたからではなく、あなたと一緒にいますが、それでいてあなたのものではないのです。
 子供に愛を注ぐがよい。でも考えは別です。
 子供には子供の考えがあるからです。
 あなたの家に子供の体を住まわせるがよい。でもその魂は別です。子供の魂は明日の家に住んでいて、あなたは夢のなかにでも、そこには立ち入れないのです。
 子供のようになろうと努めるがよい。でも、子供をあなたのようにしようとしてはいけません。
 なぜなら、生命は後へは戻らず、昨日と一緒に留まってもいません。
 あなたは弓です。その弓から、子は生きた矢となって放たれて行きます。射手は無窮の道程にある的を見ながら、力強くあなたを引きしぼるのです。かれの矢が速く遠くに飛んで行くために。
 あの射手に引きしぼられるとは、何と有難いことではありませんか。
 なぜなら、射手が、飛んで行く矢を愛しているなら、留まっている弓をも愛しているのですから。

「予言者」(カリール・ジブラン著、佐久間 彪訳、至光社)


レバノンの詩人さん。30種類以上の言語に翻訳されているみたいですよ。気づきの多い素敵な本。で、その通りかなと、ボクは思います。色んな意見はありましょうが。。。


教育って本当に大事かな、と思うのです。一般的にはまだまだ遺伝子がコントロールできないとすると、あとはつまり「教育」しかないのだもの。子育てで、家庭で、学校で、会社で、社会で。本当に大切だ。

教えること(What)は非常に細かく国が決めたり、組織が決めたり、親が直感的に決める。でも、どのように(How)、何のために(Why)は、抜け漏れがち。しかも、誰も教えてくれないのです。技術や能力ではないから。自ら学ぶしかないのです。こんな本を読んでみたりして。


子供は親を選べない。そして、三つ子の魂百まで。そして、子供は親の所有物ではない。自分の正しいを押し付けないよう、肝に銘じて。

親と子で、日々、一緒に勉強ですね。



お読み頂きありがとうございます。
(v9_88)

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