悩む選択 v2-41:やさしさは自分本位でいい vs 相手本位のやさしさでないとダメ
家庭、職場で、人生、悩ましい二者択一ってあります。「ANDの才能」を発揮し、二律背反的な2つを両立させられると、それはそれでもちろん望ましい。でも、どっちかを取らないといけない時にどうするか。自分が形成され、人生が変わっていきます。
ボクともぐらさん、会社の仲間。やさしいひとになり、そうあり続け、やさしいリーダーになり、組織を強くする、という夢を持つ。やさしさを学べる絵本「ぼくモグラキツネ馬」から互いをあだ名付け。組織での二者択一の場面で、やさしくあるのはどちらかを、考えている今日この頃。
今日の悩み:
A.いつでも、どこでも、誰にでも、やさしくあろうとする。自分本位ではなく、可能な限り相手の立場に立ったやさしさ。これが本当にやさしいということ。
B.自分勝手かもしれないけど、自分がやさしくできる範囲でのやさしさで十分。だって、それ以上なんてできないもの。自分本位でいい。
もぐらさんから「やさしさ」についての記事がLINEされました。「ボクさん、おはようさんです。すてきな土曜日です。で、朝からステキなお話ですー。参考になりますかぁ?朝食がわりにどうぞー!」って。はい、とっても学びになりました。佛心宗大叢山福厳寺住職の大愚 和尚さんのお話です。ありがとう。おいしかったです。
https://business.nikkei.com/atcl/plus/00044/080200003/
響いたのは:
「好かれる経営者や上司の条件には、必ず「やさしい」が、ランクインしています。ところが「やさしい」に失敗してしまう経営者もいます。やさしすぎるから失敗したのだ、厳しさも必要だと嘯(うそぶ)く経営者さえいます。しかしそれは違います。」
「やさしさの定義が曖昧であるがゆえに、自分ではやさしくありたいと思っているのに、ついカリカリしてしまうのです。表面的な、偽物のやさしさを身に付けて、自らをやさしいと嘯いてしまうのです。」
「成功する経営者には、運や能力、知識や情報などが備わっています。けれども、彼らはそのもっと根底に、「やさしさ」を備えているのです。」
「お釈迦様は、4つの心を育てるよう、説かれました。4つの心とは、(1)慈(じ)、(2)悲(ひ)、(3)喜(き)、(4)捨(しゃ)です。」
そして、最後に、「私は、これほど(お釈迦さまのように)詳細かつ繊細に、「やさしさ」を考察して示された教えを他に見たことがありません。」とのこと。
お、そっか。そしたら、お釈迦様には負けちゃうけど、ボクの思う「やさしさ」・「やさしいリーダーシップ」も整理してみよっと。ボクの「やさしさ」には常に心の「強さ」を同時に持たせたいのです。「強さ」があるから「やさしく」なれる、と思っているから。
「やさしいリーダー」が持つ10種の”やさしさ・やさしいリーダーシップ”:
1.仲間が、自分の夢・ビジョンに共感して集まってくれたわけだから、その仲間という個性に、感謝し、敬意を示し、気遣うやさしさがあり、仲間と共に自社のビジョン・夢に向かって愚直に邁進する強さがある
2.仲間という個性・人格に関心を持ち、寛容に受け入れるやさしさがあり、仲間の個々の将来の夢・成長の実現を信じ、鼓舞し、希望をあたえ、決意・決行させる強さがある
3.仲間の失敗、過ちを許すやさしさがあり(自分も失敗するし、過ちも犯すのだから)、他人の言動で自分の感情をマイナス方向に左右される弱さはなく、原因究明と解決に集中し、解決を成し遂げ、個性を批判せず、やさしく指導し、過去の過ちに捕らわれずに次に進ませ、仲間同士の信頼を継続させる強さがある
4.仲間が時に弱気になったり、逃げたい気持ちになるが、それを理解し受け入れるやさしさがあり、手を差し伸べるやさしさがあり、最後には挑ませる強さがある
5.仲間の悩みを傾聴し、興味を示し共感し、希望を与えるやさしさがあり、その悩みを必ず解決すべく支える強さがある
6.仲間同士をつなぎ・支え合うように仕掛けるやさしさがあり、相互理解・相互敬意を示さない・実行しない場合は改善させる強さがある
7.仲間の自由な発想・クリエイティビティに関心を持ち、寛容的に受け入れ、やってみさせる、やさしさがあり、規律の中での自由に限定する強さがある
8.仲間の異論・反論、要求・要望に感謝できるやさしさがあり、全てを受け入れる弱さとは決別し、ビジョンに照らし、利他主義に照らし、自己で判断・決意する強さがあり、丁寧に説明・主張(否定)し、組織を仲間を前向きに動かす強さがある。
9.仲間や組織が抱える問題・課題に気づき、声をかけるやさしさがあり、放置せずに、優先順位をつけながらも必ずや解決に導く強さがある
10.仲間や組織の結果に逃げずに責任を持ち、仲間をかばい他人のせいにしないやさしさがあり、常に自己責任として受け入れる強い責任感がある
この、ボクが勝手に定義したリーダーが備えるべきやさしさ10種も、お釈迦様が説かれた「4つの心」も「普段ならできる」と思うのです。
でも、問題は、人生の問題と同じですが、同じ時に2つを同時にできない時に、どうするか、二者択一の時にどうするか、なんだと思うのです。
トロッコのジレンマ(倫理課題)です。
善きサマリア人(新約聖書)です。
ソフィーの選択(映画)です。
道ばたに倒れているひとを助けたいけど、逆に自分が襲われたらどうしよう。自分が襲ったとウソをつかれたらどうしよう。素通りしよう。警察に伝えるだけにしよう。でも、それだと手遅れかな。でも怖い。。。
どちらかを助け、どちらかを助けられないなら、どっち?自分の手でそんなことはしたくない。両方諦める?
やさしさが二律背反・二者択一になった時に、やさしさの提供に「怖さ」も同時に発生したらどうしたらいいのか。他人にやさしさを提供して自分が犠牲になってもいいのか。
だから、ボクはB.派なんです。A.でありたいけど、相手のことってわからないもの。結果はやさしさが無駄かもしれないし、悪影響を広げるかもしれない。でも、自分ができる範囲でいい。それを繰り返して、学んでいって、より相手の立場に立つやさしさが提供できるようになれば。そんなこと一生不可能かもしれないけど。