繰り返される職場のケアレスミス。どうしたものか。リーダーのあるべき対応。
「今後はしないでください/しないようにしてください」。職場でそう言われることがありますね。相手にとって心地良くないこと(ミス)が起きて。
職場の仲間が上司にこう言われたのです。「うっかり同じミスを続けていて、再度注意されちゃった。気をつけているつもりなんだけどなぁ。またしそう」。小さなケアレスミスです。大した話ではないのです。だから、つまり、必ず繰り返される類です。
「さっさともう1、2回そのミスを繰り返して、真に再発を防止する仕組みを皆で考えたら? 本当にイヤならだけど」と伝える。「はは、確かにですね」って。
もし、言われた本人にとっても、その現象を繰り返すことがイヤ、と思うなら自然に気をつけます、自発的に。子供だって、イヤだと思った食べ物は食べませんし、嫌いな状況が繰り返されると泣きますもの。とは言っても、人はうっかり繰り返しますが。。。
一方で、なんでそれがダメなことなのか納得できなかったり、大した話じゃないでしょ、と思っていたら「今後はしないように」と言われても、自分事として気をつけられないから、確実に同じミスを繰り返す。
だから、いずれのケースも上司は「怒り」がちですね。相手がそのミスをミスと思っていないかもしれないし、そのダメな理由を納得しないかもしれないから、少なくとも「怒られる」という状況に「転換」して、再発防止する。つまり、怒られるのは少なくともイヤだから、気をつけるようになるだろう、という思惑。ま、こんな思考をせずに、単細胞に怒る方もいますが。
でも、残念ながら、怒られても、やっぱり繰り返します。心では「何で怒っているんだ?」ですから。ですので、本当に再発防止したいのであれば:
1.
原則は、その現象がイヤな方が気をつけるべき、だと思うのです。だって、自分は自然に本心でそれがイヤと思うのですから。「自分はこれがイヤです。だからあなたが今後はずぅーっと気をつけてくださいね」ってのがどうも無理があると思うのです。自分側から相手がミスしない行動が必要です。
2.
あと、「気をつけてね」「はーい、気をつけますー」だけでは効果が薄いのは当然です。「仕組み」にしないと。気をつけなくてもそのミスが発生しない仕組み。でも、これも限界があるです。「仕組み」が定着するのに時間はもちろんかかりますし、「仕組み」の難易度が高いと結局ミスは起きます。他のメンバーも巻き込んだり、既存の流れに変更があると二次被害の可能性も。それに、仕組みだらけでは、職場が窮屈で非効率。まさに歯車化して牢屋にいるみたいです。
だから、常にミスは起きます。繰り返します。避けられません。
あるべき姿は、リーダーならば、小さなことは気にしない、許容する、寛容である、ということです。自分は小さなミスをしても誰からも何も言われないのだから良い身分です。仲間にもそう接しましょう。
もちろん、被害が大きいミスであれば、当然に原因追及・再発防止の仕組みを考え試すわけです。だから口で言うだけなら、それだけの程度ってこと。ならば、言わなくてよい。重箱の隅をつついていると、心の小さなリーダーだなぁ、なんて思われるだけ。どーんと構えてください。神は細部に宿る、とも言うけど、せこせこしたマイクロマネジメントは功を奏しない。信じて、任せて、責任は自分がとって。
豊田章雄 前TOYOTA社長さんが、労使組合との会合で、ボスとリーダーの違いという小話をしています。一部紹介です。こんなリーダーになりたいですね。
ボスは失敗の責任を負わせる
リーダーは黙って失敗を処理する
ボスは部下を追い立てる
リーダーは人を導く
ボスはやれと言う
リーダーはやろうと言う
ボスは恐怖を吹き込む
リーダーは熱意を吹き込む
ボスは権威に頼る
リーダーは志・善意に頼る
読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_61)