取り締らない取締役が事業発展のカギ?
「取締役」という表現、どうも好きになれません。
先の中古車販売会社やタレント事務所の報道を見ると、上からの「取り締まり」に対する下の絶対服従が、不正や事件の一因にみえます。もちろん言葉だけの問題ではないですが、「取締」という考え方が、歪んだ権力構造や上下関係に繋がっているのではないでしょうか。
昨日は取締役会があったのですが、まさに「取り締まる会」でした。現場からの現状や将来方針の話に対して、外部の非常勤取締役はおおよそ以下の指摘に終始していました。
①世の中全般の話:世の中の動きはウォッチしてる? = 怠けず見ろよ
②競争相手の話:競合優位性は? = 他と同じことをするなよ
③顧客の話:お客様をちゃんと理解している? = うまく客にあわせろ
④社員の話:社員のモチベーションは? = 弛ませるなよ
⑤達成見込み:目標達成できる確度は高いの? = 未達ならお仕置き
①~⑤の指摘で、現場のモチベーションは上がるでしょうか? ありふれたフレームワークで締め付けられるより、現場の個別具体的な話を受け止めたうえで、より良くなるように鼓舞したり励ましたりしてくれた方が、やる気が出ますよね。
会社のリーダーがすべきことは、取り締まりではなく、解放です。社員の挑戦を促し、失敗は受け止め、自発性を尊重すれば、事業は自ずと発展していきます。
名は体を表すと言いますし、「取締役」を言い換えてみませんか。
例えば、
・希望役 (社員や執行者に、希望をあたえる役)
・鼓舞役 (〃 を、鼓舞する役)
・解決役 (〃 が持つ各種課題を解決に近づける役)
・傾聴役 (〃 の話を聞いて、問うて、解に気づかせる役)
・共感役 (〃 の進めている事業・仕事に共感し後押しする役)
代表希望役社長、代表解決役専務、代表共感役会長などなど。実際に呼称を変更するのは難しいでしょうが、少なくとも「取締らない」マインドを持ってみてはいかがでしょうか。
職場を良質にするコンセプトv6_15
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