うつ病でも転職で内定を獲得した方法

「以前の会社を退職した理由はなんですか？」

「・・・」

「以前の会社を退職されてから経歴に空白の期間がありますが、何をされていましたか？」

「・・・」

「健康面に問題はありませんか？」

「・・・」

上記の会話は採用面接で実際に訊かれた内容ですが、精神疾患を抱えて退職せざるを得なくなったような退職理由の場合、採用面接で答えに窮する質問です。

皆さんならどのように切り抜けるでしょうか。精神疾患と本当の退職理由を隠して、偽りの退職理由を述べますか？空白期間の説明はどのようにいたしますか？空白期間が長ければ長いほど、答えに詰まると思います。

私は「うつ病になったので退職しました」と述べ、「空白の期間はうつ病を治すための努力と再発予防のために活動していました」と理路整然と説明しました。

そして「健康上の問題はありません」と言い切り、面接官を納得させることができました。

何らストレスのない採用面接です。面接官からは「君、すごいね」と評価され、「精神疾患の過去があったとしても、君なら大丈夫だと思う」と信頼されました。

そうして内定が出されました。１０社ほど受けた採用面接のうち、４社から。

記事の続き（有料エリア）にある内容は、「個人情報が入っているのでかんたんには公開できないな」と思っていた、実際に私が採用面接で使用した資料です。

そう、私は、「空白の期間はうつ病を治すための努力と再発予防のために活動していました」と理路整然と説明するために、面接官を相手にプレゼンを行ったのです。

はじめに

転職活動を始める前から、私のモットーは「うつ病の事実に嘘をつかずうつ病の体験を強みすること」─いわば、採用面接で自身のアピール材料にしてしまおうとたくらんでいました。

精神疾患で退職してしまうとキャリア的にかなりの打撃です。書類選考や採用面接で何ら対策をせずに精神疾患の事実をオープンにしても（そして例え能力や実績が評価され採用面接の感触が良かったとしても）、

「体調面で不安が残る」

「体力的に本業務にはふさわしくない」

「他の候補者に採用が決まった」

等の理由で不採用になることは避けて通れません。候補者の現在の健康上の不安や再発がリスクだからです。

もちろん、クローズ（精神疾患の事実を応募企業に伝えない）で転職することは可能でしょう。採用面接で適当な嘘をつけばよいのです。採用面接で精神疾患を隠し通せばよいだけです。しかし、会社に精神疾患の理解を得られないままの状態で働き続けるのはなかなか大変ではありませんか？

「体調を崩してしまったらなんて理由をつけて会社を休もう・・・」

「精神疾患が会社にバレたらクビにならないだろうか・・・」

「心療内科・精神科の通院予定があるのだけど、急遽仕事の予定が入ってしまった・・・」

精神疾患をオープン（精神疾患の事実を応募企業に伝えること）にした方が応募企業が労働環境に気を配ってくれますし、安心して応募企業で働くことができます。

そのほかに、精神疾患・メンタルヘルスやハラスメントに対して応募企業がどのような対応・対策をしているのか、具体的にどのようなフォローやバックアップが受けられるのか等、精神疾患の経験がある自身を受け入れる土壌があるかどうか確認でき、ある意味ではホワイト企業かどうかを見極める判断材料にもなります。

（精神疾患を理由に不採用となる場合、a.応募企業に精神疾患に対する理解が不足している（面接官の反応でだいたい分かります）、b.精神疾患に対する理解はあるが応募企業に従業員のメンタルヘルスケア・業務のフォロー体制に不安が残る・対応が難しい、c.長時間労働・過重労働など応募企業の労働環境が過酷で精神疾患の再発リスクがある等が考えられます。）

しかし単に口頭だけで精神疾患であった事実を伝えるのでは、印象としてはやはりマイナスではないでしょうか。精神疾患をどう克服したのか、再発防止に何をしているのか、職務上では何ができ何ができないのか（対応が困難）を明確に伝えられなければなりません。

精神疾患に誤解がないように丁寧に説明を行う。そして、精神疾患に罹患したという困難をどのように乗り越えたかというエピソードとともに、精神疾患であった自身が有能であることを証明する。

そのためのプレゼンであり、そのために休養中は資料作成（PowerPoint）を行い転職活動の準備を行ってきました。

「うつ病の事実に嘘をつかずうつ病の体験を強みすること」─精神疾患を罹患し克服した体験は採用面接で自身の能力を説明する十分なアピール材料になる、というのが私の見解です。

資料化することによって資料作成能力（PowerPointの作成スキル）だけでなく、情報分析能力、情報整理能力、自己管理能力、論理的思考能力をアピールできます。

記事の続き（有料エリア）では、実際に私が採用面接で使用した資料を紹介します。