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生徒の意識が変わっていく…Ⅱ

「テストがたのしい」

6・7月に生徒さんからもらった「感想及び意見」をいくつか挙げます(第1弾)。なお、個人の特定を避けるために、また読みやすくするために一部省略等をしているところもありますのでご承知おきください。そのうえで、授業や試験の様子を観て(読んで)ください。

〇去年までは暗記科目だった生物が今年からテストが記述式に変わって驚いたけれど、単語だけではなくその意味や成り立ちまで覚えるくせがついたと思う。
〇いままでとは違う授業形式ではじめは戸惑いもあったが、徐々に慣れていき自ら積極的にノートを作り定着させようとすることができた。また、ホットシーティングなどでも疑問に思ったら発言をして意見を聞くことができた。
〇生物とは数学にもなりうるし国語にもなりうると考えるようになりました。
〇生物を勉強してそのメカニズムを理解することはすごい楽しいので、授業では教科書に沿ってただただ教えられるのではなく、自分で好きにやらせてほしいと思っていました。その点、7月までの授業では私の理想の授業の受け方が出来たように感じます。
〇先生の教え方は分かりやすく、理にかなっていると思います。このままぜひ進めて欲しいです。
〇生物基礎全体の授業を通して、教科書に書いてある内容に関して、「なぜこうなるのだろう」といったような疑問を授業内で解決することが出来たことが多かったので、生物基礎に関する理解が深められた。
〇授業につては、今まであまり経験したことのないスタイルだったが、周りの人と話し合う時間が多かったので内容の理解を深めることができた。
〇ホットシーティングはとても面白かったです。班の人と会話しながら教科書をよむのが楽しかったです。

(次回以降へ続きます)

・学びを深めるために強く意識していることは…

⓪ここで目指すところや授業の進め方についての意義や目的などについて周知するように努めること。
①担当する生徒や保護者及びその学校に対する地域の要望を把握しておくこと。
②決して自分(だけ)が主役の授業にならないようにすること。
③授業時間を通して、生徒の皆さんに「学ぶ意義」「学ぶ愉しさ」を感じてもらえるように常に意識すること。
④授業の進め方や試験の方法が合わないと思われる場合は、生徒の声を聴きながら速やかに変更すること。
⑤授業の進め方についての意義や目的などについて、伝え続けること。
です(前々回参照)。

・第1回定期考査を終えて(追記)

 第1回目の定期考査を通じて、ぼくの試験に対する考え方や意義付けを理解してくれた生徒がかなりいることを感じました。これは、ぼく個人としてたいへんにうれしいことでした。また、次へ向けての大いなる一歩と感じました。それは、「定期試験の時間こそ、深く考え、学び、知識を定着させる時間である」という考え方です。それに、生徒自身が気づいてくれるようになったことは、次への飛躍の可能性を感じました。

・6月 「授業の進め方」を大きく変える

5月までは「教えて考えさせる授業」の4段階の型を踏襲して授業を展開していきました。今までの「通常の」学校では、この形で上手く授業展開できていた(はずな)のですが、この学校の生徒たちの多くにはしっくり来ていない気がしていました。そこで、進め方を「ひっくり返す」ことにしました。いままで、「教師から説明→生徒から質問」だったのを「生徒からの疑問→教師から解説」としたのです。基本的に、ぼくの授業は「生徒の疑問・質問を中心に構成」した「生徒が主役の授業」を意識しているので、そこのところは崩さないように勤務校の生徒に合ったものに変えました。
そこで、その日の授業で学ぶテーマに関して疑問点質問事項を考えてもらいます。このように変更すると、まず生徒が考える時間が必要となります。グループになってもらい各生徒からの疑問質問を出し合い、話し合い、ここで聴きたいところ解決したいことを出してもらい、ロイロ・ノートを使ってグループごとに送信してもらいます。それをクラスみんなで共有します。
並木の生徒さんにはこの方法がとてもあっている様子で、さまざまな疑問点質問事項が出てきます。観ているとクラスによってかなり癖があるように感じられます。それでも、どのクラスでもおおむね好評なようです。
6月からの授業の組み立ては次のようになっています。
  前回の発展的復習をホット・シーティング(演劇的手法の一つ)で行う
                ↓
  グループによる疑問点・質問事項出し(教科書、資料集、PCなど活用)
                ↓
   生徒(グループ)からの質問の共有(ロイロ・ノート利用)
                ↓
   疑問・質問を意識したきょうのテーマについての解説
                   ↓
   きょう学んだテーマにと生活や社会に関連した問題を考える
                ↓
   リフレクション(自己評価または授業評価)「ルーブリック+記述」

・7月 「テストがたのしい」

「テストがたのしい」という内容の感想が多くみられました。こんなことを言うと、「それは問題が解ければたのしいでしょ!」と考える人が多いと思います。そうなんです、そういう面は否定しません。しかし、答案をみているとそうとは限らないことがよくわかります。「暗記もの」ではない問題、考える問題に、「自分の創った資料としてのノート」を利用して、この時間に考えて解答を作成する…純粋にそこによろこびやたのしみを感じているようなのです。
すでに多くの生徒が「試験を機会に学ぶ」「試験時にさらに学ぶ」「試験をたのしむ」このすべてを理解されるようになってきたようです。
これからどれだけ伸びるのか…期待せずにはおれません。

・ぼくがずっと「目指」しているところは…

ぼくが、授業やテストなどの教育活動全般を通して目指しているところに、すでに近づいてくれているように感じています。
それは、「学び方を学ぶ」ことであり、そこから「自分自身の学び方を創る(つける)」ことであり、そして「(一生)学び続ける力」を身につけることです。
図示すると、
 【目標】
    「学び方を学ぶ」→「学び方を創る」→「学び続ける力を身につける」
そう、そして、もちろん目的は、
 【目的】
   「幸せな人生を送る」
です。

そして、このコロナ下で、9月から何ができるのか、何をしていこうか…今思案しているところです。

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