【死語現禁】296.根明
(日:ねあか) (「根が明るい」を略した俗語)本性が陽気であること。また、その人。(広辞苑第七版)
<用法>
拓朗は、ネアカと呼ばれるために外では常に笑顔で前向きでいた。だが、本当は小心者なので、演技で疲れ果てていた。
<解説・思い出>
僕の高校生ぐらいから青年期頃まで、非常によく使われた言葉です。
人を根明と根暗の二つに分け、根明は「明るく前向きで素晴らしい人」というイメージで使われました。マスコミを始め世の中全体が、根明を推奨していた雰囲気がありました。
僕も「根明でいいねえ」などと言われたことがあります。
ただ、人の性格を2つに分け、一方だけを称賛するのは非常に危険で乱暴なやり方で、多くの人を苦しめた言葉でもあります。
誰だって明るいばかりではないですし、前向きでない部分を持っています。そういった部分を駄目だと決めつけられると、生きるのが辛くなってしまうのです。
さすがに乱暴すぎる言葉なので、現在では見聞することが少なくなっています。「明るい部分や内向的な部分があって当たり前」という認識が浸透して、この言葉は使い辛くなっているのかもしれません。
現在はお笑いブームで、笑うことは良いこととされ、お笑いタレントをテレビで見ないことはありません。しかし笑いのつぼは人によって大きく違い、笑うのが嫌いな人や笑えない人もいると思うのです。
そういった方々が、根明が流行った時代のように外れ者のように思われないよう祈るばかりです。
みんなが笑うから笑わなければならないことはないし、いつも笑ってなくても、幸せを感じられる人は沢山いると思うのです。
死語ランク:☆
☆・・・多くの人が知っていて、言った人に「懐かしい」と言うレベル。
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