【読書感想文】愛されてんだと自覚しな
読んだ本:
河野裕『愛されてんだと自覚しな』(文藝春秋)
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はじまりのことば、を先に読んだ方はご存知の通り、テーマがない小説らしいです。というのも、河野裕さんというのは『サクラダリセット』やら『いなくなれ、群青』やら『昨日星を探した言い訳』(先日は読んでくださってたみたいで、気がつくのが遅れましたが私も勝手に嬉しいです)やらと、なんらかのテーマ性を感じるものが多いからこんな風な言い回しになるのだと思います。
とは言いつつ、河野裕さんはエンタメ性を追求できる方(エンタメのための文章も書く方)だと私は認識していますので、テーマがないのね了解です、というくらいの気持ちで読みました。
ネタバレをしてしまわないように、感想を少しだけ。
好きだなと思いました。終わり方も個人的に後腐れのない真っ直ぐなハッピーエンドだと思うし、物語として、とても好きです。
ちょうど、こういう、温かい愛の(ような)物語を読みたい気分だったように思います。帯のフレーズ『千年の愛は、一途でかろやか』や表紙の淡めの色調のイラストの意味が伝わってくる、穏やかで優しい、一途な愛が描かれています(ちなみに表紙のデザインは川谷デザインの川谷康久さん、階段島シリーズなど新潮文庫nex等でよくお見かけするとても有名な方のようです、新潮文庫nex創刊に携わった編集者の髙橋さんのnoteを見て以降、デザインされた方も確認するようにしています)。
さらっと読めてしまったし、最後はうるっとしてしまいました。作品として純粋に面白いですが、優しくて読みやすいため、楽しく癒されたい方にもおすすめかもしれません。
聖地巡礼をしたくなりますが、しばらく先ですかね…
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最後まで読んでくださりありがとうございます。
穏やかな夜になりますように。
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