(チラ裏レビュー) 新しい国へ(美しい国へ 完全版)/安倍晋三 (本 2013年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:新しい国へ(美しい国へ 完全版)/安倍晋三 (本 2013年)
評価:★5(★★★★★)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B00BMG841I

 2006年に安倍晋三が内閣総理大臣に就任するタイミングで刊行した『美しい国へ』は50万部を超える大ベストセラーになった。その後、政権は自民党から民主党に移り、3年3ヵ月に及んだ民主党政権から、ふたたび自民党が安倍晋三を内閣総理大臣として与党に復帰したのが2012年。このタイミングで、新政権の構想を記した最終章を増補した『美しい国へ』の新装完全版が本書だ。

私は、安倍さんが総理大臣を務めていた頃はまだオールドメディアに騙されていて、安倍さんの功績を十分に認識できていなかった。最近になって保守系YouTuberの動画をいろいろ見て、保守的価値観の大切さに目覚め、「保守 vs. リベラル」の対立構造を明確に認識できるようになり、本書を読んでみることにした。

読んでみて、安倍さんの愛国心が伝わってきて感動した。卑劣なテロ行為によって、日本は本当に大切な人を失ってしまった。今でも安倍さんを叩き続けるオールドメディアには怒り、呆れるしかない。

オールドメディアはなぜ、日本を貶めるような主張を続けるのか?この本を読むと、その歴史も見えてくる。占領時代に日本人の心に強く植え付けられた罪悪感が、いまなおオールドメディアの主張のその土台となっているのだ。それを表す象徴的な一文が日本国憲法にある。

>(p.125:憲法前文に示されたアメリカの意思)「自国の安全を守るための戦争」まで放棄させようとしたのである。憲法前文の、『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』というくだりだ。つまり、日本国民の安全と生存は、諸外国を信用してすべてを委ねよ、というわけである。

自民党は1955年、当時の二つの保守政党、自由党と日本民主党が合併して誕生した。このとき、結党精神のひとつとして「自主憲法の制定」が謳われていた。GHQによって押し付けられた日本国憲法が日本国の存続を脅かす問題を抱えていることに今から70年も前に気づき、大きな問題意識を持っていたのだ。にも関わらず、いまだにそれを達成することができないなんて、日本人はどれだけ深刻にGHQに洗脳されたのかと愕然とする。いい加減、そろそろ目覚めてもいいんじゃないの日本人!

本書の以下の記述は、昔の日本の世論がどのようなものだったのかを教えてくれた。

>(p.22:「保守主義」の言葉のもつ語感)(高校に入ったばかりの頃)なにせ「日帝・米帝打倒」のスローガンがいたるところで猛威を振るっていた時代だ。「お前は保守的だ」といえば、それは体制派のことであり、「どうしようもない奴」とか悪の代名詞のような意味だった。

>(p.23:うさんくさい気がした「安保反対」の理由)(1970年、安保闘争)このとき、社会党、共産党の野党、そして多くのマスコミは、日米安保条約の破棄を主張していた。「日米安保の延長は自衛隊の海外派兵を可能にする。すでに日本はアメリカの前線基地になっており、日本帝国主義はアメリカと結託して、ふたたびアジア侵略をはじめようとしている」というわけだ。進歩的文化人と呼ばれる学者や評論家の多くも、同じような理由で反対していた。日米安保を堅持しようとする保守の自民党が悪玉で、安保破棄を主張する革新勢力が善玉という図式だ。

>(p.66:自由を担保するのは国家)1978年当時、もっぱら心配されていた「有事」とは、たとえばソ連軍が北海道に上陸してくるような場合の想定であった。このソ連の日本侵攻について、「北海道新聞」と「文藝春秋」誌上で展開された議論で、森嶋氏は、核兵器の時代に通常兵器で武装しても無意味で、どうせ降参するなら武装はゼロでよい、としたうえで、「不幸にして最悪の事態が起これば、白旗と赤旗をもって、平静にソ連軍を迎えるより他ない。34年前に米軍を迎えたようにである。そしてソ連の支配下でも、私たちさえしっかりしていれば、日本に適合した社会主義経済を建設することは可能である。アメリカに従属した戦後が、あの時徹底抗戦していたよりずっと幸福であったように、ソ連に従属した新生活も、また核戦争をするよりもずっとよいにきまっている」と述べた。

これらを読んで、昔の左翼は今よりもずっと過激に国家というものを否定していたのだと知った。この時に比べれば、今の左翼はあれでもだいぶまともになったのだと思うが、戦後80年間、ひたすらに世界平和に貢献してきた日本という国家に、日本人はもっと自身を持ってもいいはずだ。

そして、当時とは世界情勢も大きく変わった。米ソ冷戦の時代を、自国防衛をあれほど軽視しながらも運良くアメリカの傘の下で無傷で乗り切り、代わりに経済に全振りした政策は、結果的には大成功だ。しかし、これからはそうはいかない。日本と欧米は中国という巨大な怪物を育ててしまった。韓国も経済力をつけた。そして中韓両国とも、国策で反日教育を行って毎年毎年国民に反日感情を植え付けている。

>(p.246:「外交敗北」を乗り越えて)国外に目を転じると、民主党政権の三年間は、まさに「外交敗北」の三年間でした。北方領土にロシア首脳が、竹島に韓国大統領が上陸する。尖閣諸島周辺の我が国の了解を中国の公船が頻繁に侵犯する。中国政府高官が「尖閣諸島には核心的利益がある」と発言するー。いずれも自民党政権時代にはあり得なかったことです。なぜこうしたことが起きたのか。一言で言えば、民主党政権が日米関係の信頼を既存したからに他なりません。

2009年から2012年の民主党政権を保守派の方々は「悪夢の民主党政権時代」と呼ぶが、私はその意味を十分に理解していなかった。しかし、本書の上記部分を読んでその意味を理解した。たった三年間、日本の与党が腑抜けたお花畑脳の連中になっただけでこれなのだ。中韓露、どの国も隙あらば日本を侵略して利益を得ようと虎視眈々なのが現実だ。

2025年1月現在、石破茂総理が当時の民主党政権と同じように、同盟国の米国を軽視し中国にすり寄るようなことばかりしている。日本が心配だ。

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