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読むだけじゃ人生変わらん。やるやつだけが勝つ。

序章:なぜ自己啓発本を読んでも変われないのか?

 「よし、やるぞ!

 自己啓発本を読んだ直後は、やる気がみなぎっている。これなら変われる気がするし、明日からすぐにでも行動を起こせそうな気がする。

 しかし。

 数日経つと、そんな気持ちはどこへやら。結局、いつも通りの日常に戻る。その結果、次のように感じる。

 「俺、意志弱いのかな…。

 このような経験をお持ちなら、当ページはきっとあなたの役に立てる。


行動に移せないのは「意志が弱い」からではない

 実はこの経験、あなただけではない。むしろ、自己啓発本を手にした人のうち、9割はこうなる。だが、このデータを示した理由は、あなたが「意志の弱い多数派」だからでもないし、「変わらなくていい」と言っているわけでもない。

 そもそも、世の中に読むだけで変われる本など存在しない

 確かに、自己啓発本は刺激的で、手にした瞬間から読み終わってから少しの間は「これだよ!!」という気持ちになる。けれど、その興奮はあくまで一過性のもの。本当の課題は、その興奮が冷めたときに訪れる。

 次の章では、自己啓発本の読了を機に変われる人、変われない人の違いを深掘りしよう。


第1章:自己啓発本が提供するのは“刺激”であり、変化ではない

 自己啓発本を読むと、「これはすごい」「今度こそ変わるぞ」と気分が高揚する。そしてその夜、翌朝5時にアラームをセットし、出勤前の時間で筋トレや英語などの学習計画を立てて眠る。

 その翌朝、洗面所の前で焦りながら寝ぐせを直し、「いきなりは無理だよね。明日こそは!」と言い訳しながら家を出る。このとき、今朝までのあなたに別れを告げるも、結局、翌日や翌々日、1週間後、1か月後…と、あなたはそれまでのあなたと過ごし続ける。それどころか、自己啓発本を読んだことさえ、いつの間にか忘れているだろう。

 もしもあなたが、この経験を恥じたり情けなく感じ、自分を責めているのなら、今すぐにやめてほしい。大丈夫。あなたが悪いわけでじゃない。こうした経験の原因は、自己啓発本に抱くイメージにある。

 自己啓発本が提供するのは「刺激」であり、「変化」ではない
 まずはこのことを知ってほしい。


「意識を変える」だけでは不十分

 ほとんどの自己啓発本はこう叫ぶ。

 「今すぐ考え方を変えましょう!!

 そして、ポジティブ思考を粉末にしたものを「成功者の思考」とか「金持ちのマインドセット」に振りかけ、目の前の皿に盛り続ける。まるでワンコそばである。

 確かに、意識を変えることでうまくいくこともある。しかし、意識が変わっただけで行動アクションがなければ、現実は1㎜も動かない。

 たとえば、「体が資本!」「健康第一!!」と1万回念じたところで、1度も運動せず、低たんぱく・高脂肪・高炭水化物・食物繊維ゼロのスーパーウルトラハイカロリーな食事をとり続けると、1gも痩せないどころか、何らかの健康障害を抱えることになるだろう。また、意識改革だけで成功を手にすることができるのなら、世の中には億万長者だらけとなり、経済は破綻しているはずだ。

 そのような状況を招かず済んでいるのは、行動せず、「意識改革」という少量のサプリを飲んだ読者が大勢いるお陰でもある。

「いいことを聞いた!」で終わる人 vs 変われる人

 自己啓発本を読み、「いいこと聞いた!(知った)」と雷に打たれる人は多いが、その後、実際に行動を起こす人はごくわずかだ。

 ここで、AさんとBさんの例を見てみたい。

🟢 Aさん:本を読んで満足する人

  1. 自己啓発本を読み、「なるほど!」と感動

  2. 家族や友人に「この本めっちゃよかった!」と熱く語る

  3. 現実では何もしない(むしろ、また別の本を探し始める)

🔵 Bさん:変われる人

  1. 自己啓発本を読み、「なるほど!」と感動

  2. 「この中から1つ試してみるか!」と実践

  3. 1週間後、「この方法はちょっと合わないな…ここを変えてみようか」と修正しながら継続

 上記のうち、1の「自己啓発本を読み、『なるほど!』と感動」までは同じ展開だが、2以降に違いがみられる。これが「本を読むだけで終わる人」と「本を読んで本当に変わる人」とを分けるポイントである。

 では、どうすれば「読んだだけで終わらせない人」になれるのか。

 次の章では、その具体的な方法を解説する。


第2章:本当に人生を変える人は“試す→修正”を繰り返している

 自己啓発本を読んだあと、多くの人はこう思う。

 「よっしゃ!この方法を完璧に実践して、人生を変えてやる!」
 「あいつよりいい成績を出してやるぞ!」

 しかし、本の通りにやってみたはいいが、うまくいかない。

 「早起き…つらい、眠い。」
 「ポジティブ思考シンキング…取引先にキレられた。まじ無理つらい。」
 「日記をつける…だっる。」

 その結果、「ていねいに生きるとか無理!」「俺には向いてないわ」と元の生活へと戻っていく。

 ―――ここで辞めてしまうのは非常にもったいない。

 成功する人と挫折する人とのおおきな違いは、うまくいかなかったときの評価内容にある。挫折する人は、思わしくない結果を「ダメ」だと否定的に捉える。一方、成功する人は、「じゃあ、どこを変えれば続けられるかな」と考える。

 要するに、”試す”と”修正”とを繰り返すことができる人が本当に変わる


自己啓発本は「レシピ」ではなく「食材」

 自己啓発本を料理本に例えるなら、誰もが再現できる完璧なレシピが揃ったCOOKPADではなく、大手スーパーの食料品コーナーが近い。

 たとえば、早起きを推奨し、具体的な方法が記載されていても、それが必ずあなたに合うとは限らない。本が示す「早起き時間」が「超早起き・・・・時間」なら、「今より15分早く起きる」「週2回からはじめる」など自分流にアレンジするといい。―にもかかわらず、真面目な人ほど突然フルコースを作ろうとして挫折する。

 挫折はバッドエンドだと心得て、はじめは少量の食材から試し、自己流にアレンジしながら取り入れ、ぜひとも継続してほしい。


例:「時間管理術」を学んだ場合はどうするか

 ここで、具体的な例を見てみよう。
 たとえば、自己啓発本で「時間管理のコツ」を学んだ場合だ。

  1. 本に従い、「1日のスケジュールを細かく書き出そう」を実践する

  2. 仕事が忙しく、書きそびれる

  3. 出鼻を挫かれる、または自分には向かないと挫折

 こうしたケースが頻出だが、実際に自分を変えられる人はここであきらめはしない。「本の通りはきついから、もうすこし簡単な方法にしてみようか」と以下のような修正を加える。

  • 細かく書くのは面倒 → 「今日のやることを3つだけメモ」

  • 紙に書く習慣がない → スマホやタブレットのメモアプリを活用

  • 朝は忙しく書いている暇がない → 前夜のうちに「明日やること3つ」を決定

 このように、試し、修正を加え、自分に合う形にしていくことが大事なのである。


小さな変化を積み重ねる人だけが「気づいたら人生変わってた」状態になる

 ほとんどの場合、映画やドラマの主人公のように、人生を変えるための一発逆転の大勝負は用意されていない。小さな行動を継続するうちに、「気づいたら変わっていた」と気づく。これぞ、本当の変化だろう。

 はじめから完璧を求める人がとにかく多いが、「とりあえず1つ」の気概で取り組み、うまくいかなければ修正すればいい。このくらいラフにいる方が、色々なことがうまくいくのが人生だ。

 では、具体的にどうすれば「読んだだけで終わらない」のか。
 次の章で実践的な行動ルールを3つ、紹介しよう。


第3章:読むだけで終わらせないための3つの行動ルール

 ここまで読んでくれたあなたは、きっとこう考えているだろう。

 「行動しないと意味がないんだな。」

 しかし、ここにも落とし穴がある。自己啓発本を読み、「よし、やるぞ!」と気合を入れた人のほうが、結局は何もしないまま終わってしまう。なぜなら、「行動しよう」と思うことそのものに満足感を抱くから。

 だからこそ、本章では「確実に行動に移すルール」を3つ紹介する。

 このルールを守れば、どんなに忙しい人も「読むだけで終わる不治の病」を治すことができるはずだ。


① 読む前に「何を変えたいのか」を明確にする

 自己啓発本を手に取る前において、「この本を読んで何を変えたいか」を決める。以下のように、「~したい」で考えるとスムーズだと思われる。

  • 仕事の効率を上げたい

  • お金の管理がうまくなりたい

  • 日常の習慣を変えたい

 目的がぼんやりしていると、単に、「いい本だった!」で終わってしまう。これに対し、目的さえしっかりしていれば、「これが効きそう→試してみよう」と具体的な部分を抜き出し、行動に移しやすくなる。

 たとえば、ダイエット本を読むなら、「この本で、痩せられる食事を知りたい」と決める。
 ビジネス書を読むなら、「日々の忙しさから解放されたい」→「良い時間管理タイムマネジメントの方法を知りたい」と決める。

 自己啓発本を読む目的は「読むこと」ではなく、「読んで何かを変えること」だと肝に銘じておこう。

② 読んだら、当日中に1つ実践してみる

 目的の本を読み終わり、悠長に「どれを実践しようか」と考えていると、あっという間に時間が過ぎ、結局なにもしなかった―――ということになりかねない。鉄は熱いうちに打て、だ。何も考えず、読んだその日に1つ試してほしい。たとえば、以下のように。

  • 運動習慣を取り入れよう → 腕立てを1回する

  • 時間管理をしよう    → スマホの通知を1つ消す

  • 人間関係を改善しよう  → 1人に「ありがとう」と伝える

 ここでのポイントは、「笑っちゃうほど小さくはじめる」こと。

 人は、面倒だと感じた瞬間、全力で回避サボるを考えるのが脳だ。だから、はじめの一歩はとにかく小さく、「これくらいならやってもいいか」と油断させるのが得策だといえる。

③ 1週間後、振り返って「やりやすく」修正する

 実践から1週間ほどが経過したら、振り返ってほしい。ここで振り返らなければ、負のスパイラルへと逆戻りだ。

 たとえば、以下の通り。

  • 朝5時に起きる→2日目で挫折
    【改善策】5時ではなく、今より10分早く起きる

  • 毎日1時間の読書→1度も達成できず終了
    【改善策】1時間を辞め、寝起きに3分読む

  • 休日に30分走る→丸一日爆睡し、休日終了
    【改善策】エレベーターを辞め、階段を使う

 要するに、実践することそのものではなく、「続けられる形にすること」が肝心なのだ。はじめから満点を目指す必要はない。まずは50点の方法からはじめ、それを改善していくほうが現実的だし、長く続けられる。


結論:継続する人が最後に笑う

 結論からいうと、知識量より「行動量」が人生を変える最善の方法だ。
 小さくとも行動を積み重ねることで、どんな人だって変われるというのが筆者の持論である。

 だからこそ、自己啓発本を読んだだけで満足せず、次のアクションを決めてほしい。

 「この本、めっちゃよかった!」と言うだけの凡人のあなたと、
 「この本から1つ試してみた!」と言える光るあなた。

 さて、あなたはどちらの自分に会いに行く?


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ヲタク行政書士®榊原沙奈
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