スケッチ24092021
トンボと花が大きなカンヴァスの画面に
ふと出てきた。
夏の間はそんな形は出てこなかったのに。
手元にある愛用の図鑑で調べる
スケッチなんてできないもの
だってここは大阪の町の中
季節で移ろう野生の花畑
そんなものは映像でしか見たことがない
蝶よ花よと育てられと言うけれど、
それは広大な庭があることなんだ!
バーネットの「秘密の花園」しかり
小説には植物の名前がたくさん出てくる。
けれど昆虫はとても少ない。
花や虫の絵はどう描けばいいのか
写真がなかった頃の図鑑を眺めていると、
どれもグロテスクな生き物だ。
そしてとても複雑な生態と身体、機能を持っている。
意匠の歴史の中で、和洋を問わず施されてきた生き物の容態
野生の力は小さくても強い。
精巧にできたこの世の生き物は、
絵の中に描くのをためらわせる何かがある。
図鑑は横に置いているが見て描かず
観念的なトンボと花をさっと描くことにした。
2021年9月24日 筆