『寓意の入れものーvision 2008』
ブーゲンビリアのトゲは、薔薇のそれよりも、鋭く折れないことを、昨日知った。
この世界は、果てのない世界。
億劫のきら星たちに、見守られている。
すべてのものを見ることは、できない。
すべての出来事に出会う事も、できない。
この街は、果てのある街。
ものを指し示す言葉があらわになった、『現在』のただ中の街。
この街の果ては、私の視界の果てと同じ。
この街の果ては、私の心の果てと同じ。
私はこの街に住み、『現在』から差し伸べられた触手で、過去と未来を探る。
独創的なイデーは、さほど必要ではない。
常に変わり続けるも、変わらぬものとして、『美術』の世界がある。
作品は、私自身が映像作品に登場してからというもの
作者と密接になったかというと
そうではない。「あの女の人」を編集しているのである。
場合によっては「あの男の人」を編集しているのである。
作品は、結局それらの第三者が作っていく。
©松井智惠 2008年5月18日 信濃橋画廊個展コメント
2023年1月27日改訂