《FRIEZE SEOUL》ダミアン ハースト 「薬棚」
イギリスの代表的な現代アートのアーティスト。
末梢神経を刺激するイメージや作品でいつもセンセーションを起こし、現代アートをいつもホットなものにしてくれる張本人。
初期話題作、フォーマリン漬けされたサメの姿は、斬新で衝撃的だった。
彼の違う代表作である、Pill Cabinetsの2点をFRIEZE SEOULで観れた。
彼の主要テーマである死(mortality)を日常でもっとも身近で無意識的にも認識しながら、行動してる対象物が、まさに薬である。
この薬は、カラーフルな可愛いキャプセルやパッケージで包まれ、私達に死から離れた“安心”を呼びかける。
得たいの知れない薬への盲信。
ピンクや可愛い色で近づいて来る洗練され、商品化された“薬”へのその盲信の裏側には、“死”への不安が宿っている。
認識するであれ、しないであれ。この薬で幸せになれると盲信している。
このPill Cabinetsシリーズに対して、彼の以下の言葉が。
I like the way art works, the way it brightens people’s lives up…but I was having difficulty convincing the people around me that it was worth believing in.
And then I noticed that they were believing in medicine in exactly the same way that I wanted them to believe in art.
この“死”への不安を和らげるための薬への“盲信“的な人々の態度、行動パターンを、芸術でも同じく見いだせるようになったとのこと。
芸術を通して、私達は、いつかは“生”を終わらせてしまう、“死“への不安を和らげることができるでしょうか?
その視点で彼の作品を改めて観てみると面白いものが見えて来る。。。。
写真2番目の作品では、Cabinetが鏡になっている。芸術を通して“死“の不安から安堵を得ようとする鑑賞者の顔が見えるのである。
実によく出来た仕掛けである。
素晴らしい作品が Frieze Seoul で観られてよかった。