「考える」の考え方
ストレッチやダンスなど、イメージ通りの形や動きを作るためにはどうしたらいいか。
本来であれば何も考えなくても身体が自然と動いてくれるというのが理想ですが、そんな風に出来る人は少ないと思います。
そんな時にどう考えればいいか、私なりの意見を述べたいと思います。
本来、身体が動いたり形を作るというのは、身体が自然とやってくれるものですが、多くの人は余計ことを考えてしまっているため、自然な動きが出来なくなっているように感じます。
イメージ通りに自由に動けるというのが人間の能力だとすれば、イメージ通りに動けないということは間違えた身体の使い方をしているので、その動きづらい身体でストレッチのような動きやダンスのような運動をしても、身体が固いと感じたりイメージ通りの動きにならないのは当然だと思います。
野生動物は余計な考えがなく自然に動いているので、その種が持っている独特な特徴のある動きができるようになり、早く走る練習をしなくても早く走れたり、筋トレをしなくてもとてつもない力を持っていたりします。
余計な考えをなくすことで、その種の独特な特徴のある動きが出来るようになるということですから、余計な考えをなくすことができれば、人間本来の独特な特徴である「バランスがよく、身体が自由に使える」ということも可能になるのではないでしょうか。
では、この運動をするときの「余計な考えをなくす」とはどういうことなのでしょう。
私は「考える」というのは二つあって、一つは知識の中から答えを探し出すというようなことを「考える①」
二つ目は、身体が本能で考える反射神経のみたいなことを「考える②」というようなイメージをしています。
なので①の、知識の中から答えを探し出す「考える①」を使うと、それは誰かに教わったことなどが多いので間違えていたり、これから答えが変わるようなことも多く、その考えを使って身体を動かしても、やはり間違えた動きをしていることが多くなってしまいます。
例えば、「ストレッチは引っ張ったり伸ばしたりする」と教わってしまったことで、ストレッチがうまく出来なくなり「身体が固い」と感じるようになってしまうようなことです。
では②の考えを使った場合の動きはどうなるかというと、②の考えから生まれる動きは間違うことはほとんどありません。
例えば熱い物を触ったときにサッと手を引くみたいなことです。
身体は①の考えに一応従いますが、それは運動を行う時の「考え」ではないので、身体は固くなったり思い通りの動きが出来なくなることで、私たちに「間違えているよ」と教えてくれているのではないでしょうか。
そして厄介なのは、①で考えた動きを続けていると、身体はその使い方に慣れてしまい、正しい動きが出来なくなってしまいます。
例えば、お年寄りが転んだ時に手が出ず顔から転んでしまうといったようなことに近いかもしれません。
本来であれば手を出し頭を守るということが本能だと思いますが、それが出来なくなってしまうといったようなことです。
運動は①で考えるのではなく、②の考えを使って身体を動かすことができれば、動物としての本能が自然な動きを作ってくれるようになり、ストレッチやダンスのような動きでもイメージに近い動きをしてくれるようになると思います。
とは言うものの、②の考えを使って動くというのは難しいことかもしれません。しかしこの間違えをそのままにしておくのはもったいないと思います。
というのも、身体は「考え方」を変えれば必ず変わります。身体を動かす時には①ではなく②の考えで動けるように修正することで身体は本来の能力をどんどん発揮するようになります。
ボディフレックスでは「野生の身体を取り戻す」として身体の使い方を修正していますが、我々人間も動物です。余計な考えをなくしたほうが身体はのびのびと元気に動き出しますので、自身の動物としての可能性を信じ、頑張って運動をするのではなく、考え方を変える意識を持つことが大切になってくると思います。
思った通りの動きにならない場合は「考える①」で動いているかもしれません。それならば考えない方が本能に近づき、その種の独特な特徴を発揮して思い通りに身体が動くようになるのではないでしょうか。