大腿筋膜張筋を抑制するストレッチ~筋肉を楽しく学ぶ~
大腿筋膜張筋のストレッチと聞いてまず筋肉名が読めない!場所も分からない!!が普通の感覚だと思います。安心してください!!これを読み終えると分かるようになります。
大腿筋膜張筋が緊張している(張っている)と…
膝痛
ふともも太り
肺の機能低下
に繋がります。
皆様の周りの方やクライアントの方にも上記のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回はこのような症状の原因の一つである大腿筋膜張筋について見ていきましょう!
1.大腿筋膜張筋について
まずは、大腿筋膜張筋ってどこ??なに??という方もいらっしゃると思うので、簡単な構造から。
読み方は『だいたい きんまく ちょうきん』と読みます。大腿=太もものことです。太ももにある、膜の様に張っている筋肉のことです。
大腿筋膜張筋は少し面白い構造をしており、付着部が骨ではなく腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という靭帯?腱?に付着しています。
腸脛靭帯の詳しい内容は今回は割愛いたしますが、ざっくり言うと腸脛靭帯は硬く、身体の外側から骨盤や膝を支えている添え木や当て木のような役割があります。
立ち姿勢を左右の外側から支え、立ちやすくするような機能ですね。
膝をケガした人を両脇から支えるのと同じようなイメージです。
腸脛靭帯と大腿筋膜張筋(他にも殿筋も含むのですが今回は割愛します)はセットで考えると機能的な面が分かりやすくなります。
哺乳類で直立二足歩行動物である”ヒト”は立って生活するために骨盤や足の構造が少し複雑になっています。
立つために骨盤や膝が安定する様に進化したのですが、その一つに腸脛靭帯や大腿筋膜張筋があります。大腿筋膜張筋(や殿筋)が立つ時に働くと腸脛靭帯もさらに硬くなります。そのために先ほどの立つ姿勢を支える機能がより強く作用し、安定して立つことができるというメカニズムです。
ちなみに立って生活する事で手が使える様になり、脳が発達したと言われています。ヒトが現在までの社会や会社を構成できているのは先祖様が直立二足歩行を手に入れたからと言っても過言ではないかもしれませんね。
筋肉1つからでもいろいろなことが学べます。楽しくなってきましたか?
2.大腿筋膜張筋の解剖学
ここからは詳しく大腿筋膜張筋の構造や機能を見ていきましょう。
大腿筋膜張筋は骨盤の外側についている様に見えるのですが、立体的に見ると前、外と幅広く付いています。
作用としては専門用語では、股関節の屈曲・外転・内旋の作用があります。
・屈曲
立った状態で膝を曲げないで足を前にキックする様にあげる動き(脚を上げる動き)
・外転
立った状態で膝を曲げないで足を外に広げる動き(脚を広げる動き)
・内旋
立った状態で膝を曲げないでカカトの位置を変えないで膝とつま先の向きを内側に向ける様に回していく動き(脚を内またにする動き)
皆さんの日常生活で大腿筋膜張筋をどれくらい使っているか見てみましょう!
椅子に座っている姿勢でイメージしてください。椅子を除いて考えると足を上げている動き(屈曲)とあまり変わらないですね。
専門用語的には座位(座った状態)股関節屈曲位になります。
さらに、脚を広げて座るとどうでしょう?
この場合は屈曲と外転の両方をしている状態なので座位股関節屈曲、外転位になります。
さらにさらに、内またのように膝が足より内側にくるように座るとどうでしょう?
股関節の内旋も加わるので、座位股関節屈曲、外転、内旋位となります。
大腿筋膜張筋が常に活動し、緊張しやすい状態ですね。
立ち姿勢でも、頭が腰より前に出たり、腰が反ってしまうと股関節屈曲位になってしまいます。
そこから脚を広げたり(外転)、内またになったり(内旋)することでやはり大腿筋膜張筋が緊張しやすくなってしまいます。
このように、立ち仕事でも座り仕事でも大腿筋膜張筋は使われやすく、現代人は大腿筋膜張筋が緊張しやすくなっています。
冒頭で大腿筋膜張筋が緊張すると
膝痛
ふともも太り
肺の機能低下
膝痛
大腿筋膜張筋が張っている状態でランニングやウォーキングなどの運動をすると、比較的硬い腸脛靭帯が大腿筋膜張筋の緊張によりさらに引っ張られて硬くなり、付着部である膝と擦れて炎症がおきます。これがランナー膝というやつです。
さらに膝のクッション性が失われるので、ランナー膝だけではなく膝の機能自体も低下し、膝痛の原因となります。
ふともも太り
さらに、大腿筋膜張筋が緊張した状態でランニングなどを行うと、膝のクッション性低下と内また姿勢や前のめり姿勢になることで、太ももの外側に余計な負担がかかり太もも外側だけをすごく筋トレしている感じになります。結果、ふともも太りの完成です。
肺の機能低下
呼吸をする時は胸郭(いわゆる胸)の動きが大切になります。直立二足歩行を行うヒトは骨盤が胸郭を支えています。骨盤の上に胸郭が乗るので骨盤が安定すると胸郭が安定して肺の機能が正常に働きます。
各動物の活動範囲としてもヒトは二足歩行により世界各地まで活動範囲を広げたと言われています。四つ足の動物は足の動きによって胸郭が毎回動くので安定した肺の機能を確保することが困難と言われています。ヒトの様に世界各地までは活動範囲を広げることができませんでした。
その骨盤と大腿筋膜張筋が関係します。大腿筋膜張筋の作用に股関節の屈曲があります。股関節の屈曲が常にあると骨盤は前傾ということになります。いわゆる反り腰ですね。反り腰になると胸郭が安定しなくなります。
大腿筋膜張筋の緊張→骨盤前傾→胸郭が不安定→肺の機能低下
というメカニズムです。
③大腿筋膜張筋の抑制をするストレッチ
それでは、大腿筋膜張筋を抑制するストレッチを紹介します。
ポイントは3つです。
・リラックスする
筋トレではなく、動的ストレッチとなります。呼吸を忘れずにリラックしま
しょう。
・腰が反らないようにする
動画でも「最後に骨盤を後傾します」とあります。反り腰は骨盤の前傾の事を指します。背中と床の間に隙間ができないようにします。特に最後は背中を床に当てるように背中で床を少し押すようにしましょう。
・ゆっくりと一定のペースで動かす
大腿筋膜張筋が緊張していると膝を大きく開くことが困難になります。ゆっくり大きく一定のペースで膝を開けるようになると大腿筋膜張筋の緊張もほぐれていきます。可動域が広がることを確認しながら行いましょう。
4.最後に
今回は膝痛、ふともも太り、肺の機能低下と関りが深い大腿筋膜張筋に着目しました。
しかし、これらの改善には大腿筋膜張筋以外の筋も関わってきます。他の筋に関しては別記事で上げていきます。楽しみにしていてください。
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