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52歳で100m10秒台を出す姿勢

「全日本マスターズM50優勝しました!14年の時を越えて10秒台で走れました。感動、、。皆さんに感謝です!」

このコメントは、9/23(KIN78)に行われた全日本マスターズ陸上100m(50~54部門)で優勝した元日本記録保持者、朝原宣治選手が自らのXに投稿したもの。1952年6月21日生まれのKIN244(10・種)ということは、夏至に「13の月の暦」でのカレンダーラウンド(52歳)を迎えたばかりだ。

どんな分野のアスリートにも言えることだが、一般に肉体的なパフォーマンスは20代でピークを迎え、後は体力の低下をどこまで抑えられるかで選手生命の長さが決まるような所がある。

中でも陸上短距離は、テクニックや経験で体力低下をカバーできる範囲が狭く、ある意味、体力がそのまま記録にも反映され易い競技。世界記録保持者ウサイン・ボルト選手も30歳前後で既に引退しているように、極限まで身体を酷使するアスリート達は怪我も多く、現役時でもピーク状態を保つのは容易ではない。

そんな中、朝原選手は何と14年ぶりに10秒台を出したらしい(追い風ではあったが)。一度低下した体力や記録を、50歳を超えて戻して来るというのは、驚くべきことだ。Xの投稿には、記録を出した時の動画も含まれていて、他の選手達と桁違いのパフォーマンスをしたことが確認できるのだが、私はそのフォームと走り方にピンと来るものがあった。

ごく最近、ある気づきがあってジョギング時に試し、その効果を実感した走法と繋がる要素が見えたのだ。9/23の時点では私の妄想という可能性もあったのだが、9/27(KIN82)にXでのやりとりを紹介した以下のような記事を目にして、私は自分の見解に確信を持つに至った。

”「トレーニング内容を教えて下さい!」と質問。朝原氏は、その問いに答える形で「ジムでのウエイトトレーニングは全くやらず山登り(10kgベスト着用)」と、少年漫画の修行さながらな過酷トレーニングを行っていることを明かしている。”

そこで、何にどういう確信を抱いたのか? 現役時代と52歳現在の朝原選手の走法の変化から見えてくる、身体の使い方の違いについて、私の最近の気づきを交えつつ記してみたいと思う。その前提として、昨年12月に【階段をラクラク登る方法】で共有した技法をおさらいすることから始めよう。

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