見出し画像

ツォルキンの対称性と聖なる数の秩序

ツォルキンとはユカテコ語で「日の計数(勘定)」、つまり「暦」を意味する。一般には、古代マヤ文明で用いられた260日周期の儀式暦(神聖暦)を指す用語だが、古代マヤにおいてそれが何と呼ばれていたのかは、実は不明である。たまにツォルキン暦と書く人を見かけるが、それだと「日を数える暦」とか「暦暦」みたいな妙なことになってしまうので注意が必要だ。

それはさておき、「13の月の暦」の中にもツォルキンの仕組みは取り入れられている。あえて「仕組み」という断りを入れているのは、数えている日付も、用いられている絵文字も、そして日付の呼び方やその意味合いも、古代マヤのツォルキン(260日暦)とは異なるからだ。

その上、よく目にする20:13マトリクスタイプのツォルキンは、遺跡の石碑にも、侵略者による焚書を免れた絵文書にも見出すことは出来ない。その理由と20:13タイプの起源については、『自分で感じ、自分で決める13の月の暦』の第2章で詳しく述べているので、関心のある方はそちらを当たって頂ければと思う。

ここでは、その20:13タイプのツォルキンに見出せる美しい対称性について触れてみたいと思う。なぜなら、対称性は全体性と深く結びついており、「13の月の暦」が本当の意味で理解できるかどうかは、異なるスケールでも対称性を保っているまとまり(全体性)を、どこまで認識し把握できるかに掛かっているからである。

また、このツォルキンが持つ対称性の理解を通じて、「銀河の音」を日数と見なした時の驚くべき関係性についても改めて気付かされたので、その点についても具体的に記しておくことにした。この関係性を知ると、ツォルキンはやはり「神聖暦」と呼ぶに相応しい構造を持っていると素直に思える。

私たちが普段、単なる日付として意識しているものを、これほど美しい宇宙的な秩序として表現しているマトリクス(配列、母体)を私は他に知らない。およそ29年前に『時空のサーファー』を通じて初めて目にしたツォルキンに激しい引力を感じたのは、その多層的な情報秩序を直観したからだったのだと、今、改めて思う。

ここから先は

2,965字 / 4画像

¥ 300

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?