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小原大典「時のからだ」研究ノート

からだや意識の使い方をほんの少し変えるだけで、心身の自由度は大きく高まり、全く違ったやり方やものの見方が出来るようになります。日常のあらゆる場面で応用可能な多次元的視点を育て、直…
心身の自由度と生命力を高める身体技法や視点、考え方を紹介しつつ、それらを日常生活や旅先で実践的に活…
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#チベット

神々の故郷ネパール(5)

KIN119(2007年9月29日)は、小雨の中、朝からカトマンズ中心部にあるダルバール広場へと向かった。旧王宮を囲むようにして、「クマリの館」(女神クマリの化身と信じられている少女が住む)や「カーラ・バイラヴ像」(シヴァの化身のひとつで、この像の前でウソをつくと即座に死ぬと信じられているらしい)など、見所は沢山あったが、私は、寺院や像の前に群がってお供えやお祈りをしている人々や、広場の一角で動物(捧げ物だろうか・・)を解体している男性達、野菜を仕分けしている女性達、傘を差し

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神々の故郷ネパール(4)

ボダナートからタクシーに乗り込んだその直後、雷鳴と共に滝のような雨が降り始めた。道はたちまち川のようになり、視界は数m先も見えない状態になったが、スンダリジャルに到着する頃にはすっかり雨も上がって、澄んだ空気と光が私達を迎えてくれた。 幸いケツン・リンポチェもご滞在中との事で、直ぐにお会い出来る事になった。私はただ、貴重な教えをもたらして下さった(本を通じてとは言え)事に対して、直接お礼の気持ちを伝えたいだけだったのと、念願かなってついにお会い出来たという事に感激していたせ

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神々の故郷ネパール(3)

2007年9月25日(KIN115)。ポカラからのフライトは雨で、ヒマラヤは姿を見せてくれなかったが、ほぼオンタイムでカトマンズに到着。バンダ(ゼネスト)が頻繁に起きるような不安定な状況の中、こうして予定通り移動できるのは、相当ラッキーな事なのかもしれない。 空港から、巨大なストゥーパが有名なボダナート(チベット仏教の聖地)へと直行し、ドルマ(この旅でガイドを引き受けてくれたツェワンさんの妹)のパートナー、ペムシーと初対面する。坂本龍一似の優しい表情をした彼は、ラマ・ケツン

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神々の故郷ネパール(2)

2007年9月23日(KIN113)。朝4時に起床し、4時半に宿を出発。車で30分程坂道を登り、そこからさらに30分程、徒歩で山道を登る。前日のツェワンさんの予言通り、空はすっかり晴れて、満天の星に埋め尽くされていた。こんなにくっきりとした天の川を見るのは、いつ以来の事だろう…。金星などは、その輝きの強さから普段の何倍も大きく見えて、今にも降って来そう な感じだ。空が少し明るくなり始めた頃、ヒマラヤビューポイントとして知られるサランコット頂上に到着。そこには、既にかなりの数の

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志(動機)と実践の共鳴

チベット暦では釈迦様の誕生、成道、入滅を記念するサカダワ月が、5/20新月から始まっていて、そのピークとなる満月が3日後の6/4に迫っている。『13の月の暦』だと12番目の水晶の月6日、KIN122(5・風)という日付になるが、サカダワ月に積む善行は何万倍にもなると言われており、チベット圏では大いに盛り上がる期間でもある。この機会にちなんで、「志(動機)の力」について書いてみたいと思う。

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雷龍の国ブータン(1)

先代国王が提唱した「国民総幸福量(GNH)」という考えや、国を挙げて文化を保護する方針、さらには禁煙国宣言など、今、世界で注目を集めている国ブータン。ヒマラヤの麓にあるこの小国の魅力は、グローバリズムとは一線を画すこうした独自性を保持しているところにあるのかもしれない。しかし、今回、私達がこの国を訪れる事になった主たる理由は他にあった。チベット仏教圏で絶大な人気を誇る伝説的行者、パドマサンバヴァが虎に跨って飛来したという聖地、その名も「タクツァン(虎のねぐら)」に参拝するのが

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