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小原大典「時のからだ」研究ノート

からだや意識の使い方をほんの少し変えるだけで、心身の自由度は大きく高まり、全く違ったやり方やものの見方が出来るようになります。日常のあらゆる場面で応用可能な多次元的視点を育て、直…
心身の自由度と生命力を高める身体技法や視点、考え方を紹介しつつ、それらを日常生活や旅先で実践的に活…
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#チベット仏教

絶対的真理と相対的真理の関係性

2024年1月15日(KIN87)、ゾンサル・ケンツェ・リンポチェの講演会が牛込箪笥区民ホールで行われた。ケンツェ・リンポチェは、ブータン王国出身の転生活仏として世界的に著名なチベット仏教僧であるだけでなく、『ザ・カップ 夢のアンテナ』などの作品を通じてその名を知られる映画監督でもある。 最近も『Pig at the Crossing(交差点の豚)』という興味深い映画を発表しているが、どの作品の根底にも仏教的な視点が込められていて、色々と考えさせられたりもする。というより、

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「時間をはずした日」の回向

チベット仏教やボン教の法話に参加すると、最後に必ず回向の祈りを唱える機会が設けられる。「回向(えこう)」とは、「自ら修めた善行の功徳が、他に巡り及ぶのを期すること」を意味するので、法話に参加することで積まれた功徳が、他の存在に巡るよう祈る訳だ。 その意味については理解していたつもりだったが、ボン教の修行者で、経典の邦訳やゾクチェン瞑想の普及にも尽力されている友人・箱寺孝彦さんの『ゾクチェン瞑想マニュアル』の中で、「回向すれば積んだ功徳は失われない」というニュアンスの文章を目

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神々の故郷ネパール(3)

2007年9月25日(KIN115)。ポカラからのフライトは雨で、ヒマラヤは姿を見せてくれなかったが、ほぼオンタイムでカトマンズに到着。バンダ(ゼネスト)が頻繁に起きるような不安定な状況の中、こうして予定通り移動できるのは、相当ラッキーな事なのかもしれない。 空港から、巨大なストゥーパが有名なボダナート(チベット仏教の聖地)へと直行し、ドルマ(この旅でガイドを引き受けてくれたツェワンさんの妹)のパートナー、ペムシーと初対面する。坂本龍一似の優しい表情をした彼は、ラマ・ケツン

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雷龍の国ブータン(3)

チベット仏教圏で絶大な人気を誇る伝説的成就者パドマサンバヴァが、虎に跨って飛来したというブータン王国最高の聖地「タクツァン(虎のねぐら)」を目指した旅もついに佳境に。切り立った崖っぷちにへばり付くように建てられた寺院の標高は3000mを超える。その寺院の中で最も重要な部屋は「しゃべるパドマサンバヴァ像のある部屋」だと言う。 *本記事は2008年2月18日配信のメルマガ『Happy シンクロ Days♪』Vol.16に掲載された記事を一部修正したものです。

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雷龍の国ブータン(2)

チベット仏教圏で絶大な人気を誇る伝説的成就者パドマサンバヴァが、虎に跨って飛来したという聖地「タクツァン(虎のねぐら)」を目指して旅は始まった。そのきっかけについては【雷龍の国ブータン(1)】へ。 子供の頃から唐辛子を「野菜」として食べ、私達には標的そのものも見えないような距離にある的を弓で射抜くブータンの人々は、ある意味異星人のような存在だったが、よりインパクトを受けたのは生まれ変わりの話である。私たちがその話を聞いてから既に16年が経っているので、今の様子がどうなのか

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雷龍の国ブータン(1)

先代国王が提唱した「国民総幸福量(GNH)」という考えや、国を挙げて文化を保護する方針、さらには禁煙国宣言など、今、世界で注目を集めている国ブータン。ヒマラヤの麓にあるこの小国の魅力は、グローバリズムとは一線を画すこうした独自性を保持しているところにあるのかもしれない。しかし、今回、私達がこの国を訪れる事になった主たる理由は他にあった。チベット仏教圏で絶大な人気を誇る伝説的行者、パドマサンバヴァが虎に跨って飛来したという聖地、その名も「タクツァン(虎のねぐら)」に参拝するのが

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