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名作探訪 その14 超面白い! 記憶と手札マネジメント 『マンマミーア!』

こんにちは. ボードゲームデザイナーの山田空太といいます。

今回は、ボードゲーム 名作探訪シリーズ  その14をお届けします。

ボードゲーム 名作探訪 : 皆さまに是非とも遊んでほしいボードゲーム紹介のシリーズです。1990〜2015年くらいのファミリーストラテジーのゲームを中心として、100作を目指して書いております。

前回の記事はこちらから読むことができます⇩


本日のゲームは、1999年発売、ウヴェ・ローゼンベルク作の『マンマミーア!』

今となっては、重量級ボードゲームを次々とデザインしているウヴェ・ローゼンベルクですが、『アグリコラ』が発表された2007年以前には『ボーナンザ』や『リミット!』など傑作カードゲームをデザインしたことがありました。今日ご紹介する『マンマミーア!』もその1つです。

マンマミーア Mamma Mia!

Designer: Uwe Rosenberg
Artist: Franz Vohwinkel
Publisher: Abacuss Spiele,  メビウスゲームズ
(1999)
2-5 人用
好み:AA  
時間:30分程度
2人でも:面白い

『マンマミーア!』は、レシピ通りにサラミやオリーブなどの具材を集めて、ピザを作るゲームです。ピザ釜とみなす山札に、具材カードとレシピカードを放りこんでいきます。ゲーム終了時、最も多くのレシピを完成させたプレイヤーの勝利です。

山札は、全員共通です。手番では、山札に具材カードを表向きに重ねて入れていきます。同じ具材なら、複数いっぺんに出せます。レシピに必要な具材がもう集まったかなという時点で、自分の色のレシピカードを差し込むことができます。

*1番上のカードしか見えないので、他のプレイヤーが入れたカードを覚えておかないといけません。

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他のプレイヤーの入れた具材カードも、自分のレシピに使えます。ここがポイント。他のプレイヤーが入れた具材カードを覚えておいて、いかに自分のレシピ用に使うかというところ。

手札はずっと6枚ですが、具材カードとレシピカードを何枚ずつもつかはプレイヤーの自由。具材カードの山札がきれた(全具材カードがピザ釜に入れられた)時点で、1ラウンドが終了となります。

一旦ゲームを中断し、本当にレシピ通りにできていたか、山札を順番が変わらないようにひっくり返して、1枚ずつオープンし、全員でチェックをしていきます。レシピカードが完成していたら、そのレシピカードは持ち主の得点となり、具材カードは抜きとられます。

その時点で、完成できなかったレシピカードは、持ち主に戻されてしまいます。

これだけだと、記憶とカードの引き運だけのゲーム。しかし、このゲームでは、チェック時に、手札から具材カードを補充することができるのです。例えば、1枚マッシュルームが足りなくても、それを覚えて置いてここで補完ができる。なかなか文章では伝わりにくいですが。。

記憶力が大切ですが、ここで手札から補えるように準備をしておくという手札のマネジメントも大切です。

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カード構成はレシピカードと具材カードの2種類。具材カードはパイナップル、サラミ、マッシュルーム、ペパロニ、オリーブの5種類。レシピカードはプレイヤー毎に少しずつ違っています。黄色のプレイヤーはパイナップルが多く必要、紫のプレイヤーはオリーブが多く必要、といったように。

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その構成が異なるため、プレイヤー同士の狙いが少しずつ異なります。ゲームデザイン的にはここが肝で、ちょっとずつ思惑がずらして、タイミングを操作しているのです。

見かけのかわいさとは裏腹に、相当頭を使わないと勝てないガチなゲームです。序盤にレシピカードを早々に一巡させて、レシピカードの順番を頭に叩き込んだり、ラウンドが終わる直前は手札を全て具材カードにしておいたり、勝つためには記憶力とハンドマネジメントの両者が求められます。

『ボーナンザ』(⇩以下の記事に詳しく書いています)と同じように、3ラウンドするとゲームが終わります。

カードゲームにしては、ルール説明と準備とカードシャッフルに若干時間がかかるのですが、テキストなしのカードだけでこのクオリティのものを作ったのはやはり素晴らしい。

カードゲームとしての満足度はすこぶる高いと思います。

ローゼンベルクがこれまでテーマにしてきたのは、豆植え、ピザ作り、農場作り、ガラス職人、漁村、農家などなど。人間の生産する喜びみたいなものを、ローゼンベルクはゲームに意図的に組み入れているんじゃないかなと。

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『マンマミーア!』は、2人プレイも面白いですよ。マストバイです。

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過去のおすすめ記事を紹介します。
名作探訪 その 1  唯一無二の交渉ゲーム『ボーナンザ』
名作探訪 その3  これは外せない傑作 『ニムト』


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