【ルーマニア】国民の館
共産主義時代のルーマニアの独裁者・チャウシェスクが建設を命じた『国民の館』という建物がブカレストにあります。
アメリカのペンタゴン、タイの国会議事堂に次いで、政府系ビルとしては世界で三番目に大きいとのこと。内部を見学するツアーに参加してみました。
チケットは60Lei(1800円程)。
事前予約もできるようですが、現地に行って空いていたツアーに参加しました。
ガイドの方について、20人ほどで歩いて回ります。
巨大なクリスタル製のシャンデリアで照らされたコンサートホール。
シャンデリアだけでも4、5トンあり、清掃のために取り外す作業がかなり大変なのだとか。
続いて大きな絵画とルーマニア各地から集めた衣装を身に着けたマネキンが集められたスペース。
絵画はルーマニアの画家・Sabin Bălașaの作品など。
先が見えない長い廊下。
左右に大理石の柱が立ち並び、ここも天井にはシャンデリアが輝きます。
要人を招く貴賓室や円形の会議室。
各部屋でそれぞれ異なった装飾が凝らされており、こうした部屋が他にもいくつも並んでいます。
ガイドの方によると、チャウシェスクはエアコンが嫌いだったらしく、自然換気するための通気孔が各部屋の装飾に紛れているのだとか。何と我儘な。
巨大な階段、巨大な窓、それを覆う巨大なカーテン。
小男だったチャウシェスクの要望で、階段の段差は低めに設計されています。
外に出て振り返ると、改めて建物の大きさと禍々しさに圧倒されます。
チャウシェスクの野望を叶えるべく、超巨大かつ豪華絢爛に仕上げられた国民の館。
しかし1989年に革命が起こり、チャウシェスクはこの建物の完成を見ることなく処刑されています。