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Bochu pain
はじめてのnote.記事。
Bochu painについて書こうと思いつつ想いが分散し、なかなかはじめの一歩が踏み出せずにいた。こういう時はツラツラ書く。
それが一番いいきがする。
今日の岩手県南は梅雨に片足を突っ込みだしたのがよく分かる天気。暗い色の雲と明るい雲が混ざり合って不安定な様子。
毎年、天気の淀みで心もどこか重い気持ちになるのだが今年は雨が降ることを望んでいる自分がいる。
それもこれも、御縁の繋がった農園さんの見学やお手伝いをさせて頂ける機会が増えたからこそだと思う。天気が自分の気持ちのみの為にあった若い頃に比べ、大人になるにつれて随分と意味をなしてきたと思っていた。
それが農を営む(ましてや農のみで生活を成り立たせている)方と近しくなったことで視点が広がり、どんよりした雲を眺めて『ホッとする』に至った。
農仕事にとって水は必要不可欠。
なくてはならない天の恵みなのだ。
私自身、米農家の嫁として嫁いできたので少なからず気にしながら暮らしてきた。(兼業農家:近年かなり縮小したので農家を語れるほどではない)
が、そんなものではないのだ。それで生計を立てるということは。
自然と共に生きる。
聞こえはいいが、
それは本当に難しいことだ。
さて。
ここから少しパン屋要素が入ってくるが。
農園さんが大切に育てた麦を頂き、それをパンにする。
それも、農の延長線上にあることだと、私は思っている。
それは、
『どんな状態の麦であってもパンにする』ということが私の仕事だから。
2023.11よりパン屋として歩み始めたが
半年以上、使わせていただいている麦は「穂発芽状態」である。
穂発芽というのは、字の如く発芽した状態に近い・ないしはした。ということ。麦は発芽したり、する直前になると「酵素」が強くなる。したがって 溶けるのだ。生地が溶けてパンにならない。…なりにくいので、パン屋界隈では穂発芽小麦は嫌煙される。
が、しかし。
我が師匠は「麦がどんな状態であってもパンにするのが仕事」との考えを持っている。それを聞いて反発する気持ちは全く沸かず「あぁ、本当だ。確かに」と。その考え方はストンっと腑に落ちた。
その土台があるからこそ
開業してから入手する麦が穂発芽小麦ばかりであっても全く動じることはなかった。焼き上がるパンは、穂発芽小麦であるからこその甘みがたまらない。見た目を重視する日本文化に、どこまでOKとされるのか未知数だったけれど、パンの高さ(穂発芽小麦は溶けるのでパン自体に高さが出にくい)なんて関係ない。美味しいのだから、それでいい。そういうお客様が多くて、心救われている。栄養価も高いしね。
パンにする工程で、私が外で雨に打たれることも、逆に雨が降らずにヤキモキすることもない。しかし、そういう気持ちを受け止めて大きく育った麦を使わせて頂いている、農園の皆さんへのこの敬意と感謝は忘れてはいけないと、強く心にとめている。
やはり、実際に話を聞き現場を見る。この一次情報は、私にとっても、パンにとってもかけがえのない大切な知識となる。知識を持ち、自分の考えを整理する。そのうえで「歩む道を選択していくこと」は、人生を豊かにし、自分の土壌を耕すことに繋がっているのだ。それは、Bochu pain のパンを選び取って下さっている全てのお客様への私なりの「礼儀をつくす」という事にも繋がっているのだ。
Bochu painは「時価」です。
それを伝えると、既にリピーターであるお客様や元々の知り合いは、何かを説明する事なく納得して下さった。それは、私にとって驚きだったのだけれど、きっと思っている以上に「農への想い」を持っている日本人は多くいるのだと心強く感じる出来事でもあった。
天候不良が無くなることは、今後の地球では考えにくいことだろう。
その年々で工夫し、収穫まで辿り着いた麦を、大切に、パンにしてきたい。
そのためには私の多大なエゴばかりでは成り立たないのだ。
そこには、お客様の理解、そしてその先の知識が必要となっていく。
全ての繋がりと理解に感謝ばかり。で、ある。
ただ、ただ、大切に。
皆様の身体と心に寄り添えるパンであるように。
農園で一所懸命に育った麦を頂き、仕込んでいけたなら。
それだけを考えて、パン屋を営んでいます。
Bochu pain 佐藤まみこ
とりとめのない文を
最後まで読んで下さったかた
ありがとうございます。
昨日、小学二年生の長男が高熱を叩き出し早退。今日は学校を休みました。
彼が寝ている横で、ツラツラと。
滞る家事には目をつむり、記事を書く。こんな時間も愛おしいと感じます。
2024.06.04 13:45…