【夏の詩】



   葉の裏で 夕立ちを待つ かたつむり





 何事にも「タイミング」というものがございます。この子はそれに恵まれませんでした。
 この子が生まれたときには、すでに兄がおりました。
  「葉の裏で 五月雨を待つ かたつむり」
 兄はワタシのブログ友達のところに投句済でしたが、この子が生まれたときにワタシは思ってしまったのです。「この子の方がカワイイ」と。
 しかし、今更、ワタシに何が出来るというのでしょうか。この子には、もう発表の場はないのです。もはや、鉄仮面でもかぶせて、一生をバスチーユの監獄で過ごしてもらうより他はないのです。
 その時、途方に暮れたワタシの脳裏に、あるお方の顔が浮かんだのでした。そうだ、あのお方なら、きっと、この子を優しく迎えてくれる!
 そして、ワタシはこの子をパピルスの籠に乗せて、ナイルの流れの中へ、そっと押し出したのでした・・・・・・。


 つまり、よろしくお願いします、ムラサキさん!
 (ワタムシさんリスペクト)




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