見出し画像

訪問看護師が足りない。

先日、行政の福祉課と市内の訪問看護ステーションの意見交換会で、「訪問看護師の量的拡大」について、それぞれの訪問看護ステーションさんの実情を伺う機会があった。

要するに

「おたくの事業所は、訪問看護師が足りてますか?」

「訪問看護の広報や事業所の案内、看護師の募集はどうしていますか?」

という事だ。

市内ステーション15ヵ所ほどの管理者クラスの、私よりも人生の先輩の方々が勢揃いの中、各ステーションの実情は3つぐらいのパターンに分かれた。

○チラシ等で募集しても訪問看護師の応募がほとんどなく、看護師が足りていない。40歳以下の看護師さんが入ってこない。看護師の高齢化が進み懸念している。(参加ステーションの半数)

○対象を限定(ターミナルケア専門、難病専門の訪問看護)しているので、業務内容を理解したうえでの応募がある。看護師スタッフからの紹介応募もあり、看護師は足りている。

○母体会社等があり、紹介会社を通じて看護師の採用を行っている。採用コストはかかるが、今のところ看護師不足はない。20代、30代の看護師の採用も採用している。

・・・・・・・・・・・

今の時代、訪問看護師の人材確保もペーパーやチラシの募集での人材確保は難しく、紹介会社経由の応募や採用がメインとなっているという事だ。

看護協会は訪問看護ステーションの大規模化を推進しているが、紹介会社の利用は採用コストが必要なため、小規模のステーションは人材不足と看護師の高齢化問題に直面し、特色のあるステーションや、経済力のある大規模ステーションに看護師が集まるという構図。

うーん・・・・。

会議で「もっと若い看護師さんも在宅に出てきてほしい」と言われている所長さんもおられたが、紹介会社から頂く人材を見ると、臨床を数年やって在宅を希望される看護師は案外いる。現にうちにも20代のスタッフが数人在籍している。

我が社も以前は人材不足で、フリーペーパー等で募集しても、応募がない時代もあった。
今は看護師採用は紹介会社経由がほとんどで、本部、サテライト2か所の看護師採用についての選考・面談等は私が担当させていただいている。

「訪問看護を始めたい」という方は結構いるのだ。

今年度は4月から1月まで、40人ほどの訪問看護希望の看護師さんとお会いした。
個人的には応援したくても、お断りせざるを得ない方もある。

それから、紹介会社にも出かけ、会社説明や訪問看護の仕事・望む人材について、紹介担当者向けのレクチャーもした。

採用に関わらせていただくようになって、訪問看護に初めて踏み込む決断をする側にとっては、まだまだ敷居が高いのかもしれないと感じる。
残念ながら、訪問看護の世界に入っても、志半ばでリタイアされる看護師も見てきた。

訪問看護は身体的にも精神的にもタフな仕事だと思う。
だからといって、髪振り乱して、眉間にシワのよった訪問看護師はいただけない。

私は「あなたの思うようにやりなさい」と送り出してくれた管理者、現場の意見を聞き入れ改善してくれた経営者がいた。
率先して現場に訪問させていただいた。
そして多くの利用者さんとお会いし、人生の一部に関わらせて頂いた。

「だから訪問看護はやめられない」のだ。

だけれど最近は、現場はちょっとだけ若いスタッフに譲ろうと思っている。

もちろん現場は大好きだけれど、いつまでも最前線こだわって私が居座っていては、人が育たない。


訪問看護を志す人が訪問看護に従事できて、現場ではスタッフが「白衣の天使」で活躍して欲しい。

そのためには、人材の確保、業務の工夫や改善、待遇の見直し、教育やスキルアップ体制の確立、スタッフの精神的ケアが必要だと思う。
経営者側との認識の食い違いの修正や、交渉事も必須となる。経営的な知見も必要だ。

入社スタッフのフォロー、新規利用者調整や契約、スタッフと現場同行し指導助言。
会議のち時々面談。
日替りで3ヶ所の事業所を移動する。

私は、計算高く、戦略的で、金勘定もできる「白衣の天使」になりたい。

いいなと思ったら応援しよう!