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私が初めて担当したお子さん、Sちゃん。 生まれつきの心臓の病気で上手にミルクが飲めず、鼻から胃まで通した管でミルクを注入していました。 身体が小さく育ちもゆっくりですから、声をかけたりあやしたりしても、いつも知らんぷり。 ある日、Sちゃんは私に向かって、にっこりと笑ってくれるようになりました。 この仕事に携わっていると、 「人のために大変なお仕事ですね」 「こうやって看護師さんに来てもらって、本当に助かります」 などと、お言葉をいただくことがあります。 在宅療
初めてSさんにお会いした時、Sさんは長い髪の毛で顔を隠すように下を向いてうつむいたままでした。 お話をしていると時々顔を上げられますが、表情は硬く、どこか瞳はうつろで目を合わせようとされませんでした。 Sさんは、メンタル科に通院し内服治療をされていました。 職場の人間関係のトラブルから不眠などの身体の症状が見られ、仕事を休みがちになり、やがて出勤ができなくなり退職されていました。 自宅にお伺いするようになって間もない頃の事です。 私がSさんとお話しをしていると、Sさんは自