笑顔の贈り物
私が初めて担当したお子さん、Sちゃん。
生まれつきの心臓の病気で上手にミルクが飲めず、鼻から胃まで通した管でミルクを注入していました。
身体が小さく育ちもゆっくりですから、声をかけたりあやしたりしても、いつも知らんぷり。
ある日、Sちゃんは私に向かって、にっこりと笑ってくれるようになりました。
この仕事に携わっていると、
「人のために大変なお仕事ですね」
「こうやって看護師さんに来てもらって、本当に助かります」
などと、お言葉をいただくことがあります。
在宅療養される方々を支える事を仕事としている私ではありますが、私に向けられる笑顔は、
「実は、支えられているのは私なんだ」
と実感する瞬間でもあります。
訪問のたび、私に笑顔の贈り物を届けてくれたSちゃんは、成人を迎えられました。
今、お伺いしているKちゃん。
先日、久しぶりに訪問したのですが、帰り間際に笑顔のプレゼントを1つ私にくれました。
私はほっこりした気持ちを胸に、次のお宅へバイクを走らせます。
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